かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

てんかん性精神病

2019年04月11日 19時41分45秒 | みゆみゆとの生活
(ちょっと専門的な話もあり、長文です。備忘録兼ねて。)

年明けから、てんかん発作が何度かありました。
しかも発作を一日に何度も繰り返す「群発発作」も二回あったため、いつもの主治医から大きい病院を紹介されました。
普段行ってる病院は入院病棟(小児科一般、精神科)がなく、休日や夜間などの緊急時に対応できないからです。

で、朝から行ってきた。
遠方の大学病院。
ここは、以前そうちゃんの睡眠時無呼吸の相談のためにかかったことがあり、印象がいい。
この病院の決定的にいいところは、待ち時間が少ないこと。
そして静かなこと。
最初に渡される専用タブレットが、振動で順番を知らせてくれるので、呼び出しアナウンスがない。
会計もあちこちにある専用機械にバーコードをピッとやるだけ。待たない。
画期的すぎる。

はじめにかかった小児神経のドクター(教授)はとてもソフトな感じの方で。
紹介状を見ながらこれまでの経緯をいろいろ質問されました。
春休みにとても大変だったこと、てんかんの群発発作があったことを話すと、
「まれにある、『てんかん性精神病』の可能性があります。」と言われました。
てんかんの治療と精神的な部分の治療を、分けずに一緒に考えた方がいいと。
「発作が関連していると、ほんとにどうしようもなく興奮して手が付けられなくなることってあるんですよね。」との言葉に、わかってくれていると感じました。

ドクターは、今飲んでいるラミクタールをやめてビムパットという薬を始めることを提案されました。
今日から飲みはじめ、様子を見ながら量の調整をしていきます。
そして、この病院の精神科にもかかるよう言われました。
万一激しく興奮してどうしようもない時に、閉鎖病棟で預かることもできるから、とのことでした。

この病院はてんかんセンターがあり、18歳未満のてんかんは小児科で、18歳以上のてんかんは精神神経科で診てくれることになっています。
けど、うちの子のような場合は子どもでも精神神経科で診ることもあるようでした。

今は自閉症を診る「精神科」とてんかんを診る「神経科」が分かれている病院が多く、今まで通っていた病院もそうでした。
でも実際、精神科で出る薬と神経科で出る薬は相互に作用しており、連携は必要です。
昔、知的障害を「精神薄弱」と呼んでいた時代には、てんかんは精神科医が診ていることが多かったそうで。
今日行った大学病院はその昔ながらのスタイルを進化させながら守っておられるようでした。

自閉症とてんかんの両方を総合的に診られるドクターがいる。
重度知的障害の子もたくさん見ている。
鎮静が必要なほど暴れたら、緊急で入院もさせてくれる。
そういう病院があるんだ。ほんとにありがたい。
ただし、緊急で入院する場合は保護室で場合によっては拘束もする、とのことでしたが。
それはそれとして。
「最終手段」のカードがやっとできたことに、安堵。

小児神経のドクターが電話してくれて、今日すぐに精神科にかかれたのも、ほんとにラッキーでした。
精神科ドクターはオシャレダンディで、見るからにキレがある方。
ネットで調べると、その世界では有名な教授らしい。

矢継ぎ早な質問に、口頭試問のように緊張しながら答えた。
ドクターは「今後のメインが精神科か小児科かはまた決めるけど、いずれにしても分業ではなくまとめてやりましょう」と小児神経の先生と同じことを言われました。
「発作と関連して精神症状にムラが出ているようだから、まずはてんかん発作を止めないと」と。
また、「向精神薬は効かないでしょ、このタイプは」と言われました。
確かに、リスパダールもそれほど効いてないし、寝ない時はレンドルミン+ハルシオンでも全然だめです。
そう言ったら、「寝るための薬は必要かもね。でも、リスパダールやエビリファイは、統合失調症の治療とは違って飲ませなきゃいけないものじゃないから。減らしても大丈夫そうなら減らしていいんだよ。」

そんな相談をしているうちに、空気はだんだんとほぐれてきて。
おひげのドクター、そうちゃんにいろいろ話しかけてくれた。
言葉がけと子どもに向ける視線が、あったかい。
今かかってる主治医(児童精神科)のことも知っておられて、「あの先生ならこの辺では一番だ。間違いない。」と言われました。
なんだか自分のこと褒められたみたいに嬉しくなって、2歳からずっと診てもらってきたその先生のことを思い出したよ。
大好きだったな。いい先生だった。
しばらくはお別れです。少なくともてんかんが落ち着くまでは。

ふう。
行ってよかった。
収穫いっぱい、胸もいっぱいな受診となりました。
随分遠いし時間もかかったけど、当面はここで診てもらおうと思えました。

小児神経科は予約してあったけど精神科は当日受付だったので、かなりの待ち時間があったのですが、
そうちゃんはとてもとてもおとなしく待つことができました。
すばらしい。というか「よそゆき」。
「よそゆき」ができるのも、成長。
随分できることも増えた、と思う。

異様におとなしかった反動か、夕方行ったデイではいつもより動きが激しかったようです。
まあしゃあないね。
明日はどうかな。
学校、すんなり行ってくれるといいけどなー。