秋とのみいかなる人かいひそめし月は冬こそ見るべかりけれ(内裏歌合_永承四年十一月九日)
冬枯れの木の葉さはらぬ高嶺よりこほりていづる月ぞまぢかき(持明院殿御歌合)
霜ふかき夜半にや空もさえぬらむかげまでこほる山の端の月(宝治百首)
あまの原そらさへ冴えやわたるらむこほると見ゆる冬の夜の月(拾遺和歌集)
冬がれの森のくち葉の霜のうへにおちたる月のかげのさむけさ(新古今和歌集)
ゆく水の浅瀬こほれる長き夜にむすぼほれたる冬の夜の月(夫木抄)
底まではやどるとも見ず山川のこほりのうへをみがく月影(新後拾遺和歌集)
夜をかさねむすぶ氷のしたにさへこころ深くもすめる月かな(千載和歌集)
空よりもかげやさゆらむ池みづの氷にやどる冬の夜の月(新後拾遺和歌集)
さゆる夜の霜をかさねて袖のうへにやどればこほる月のかげかな(新拾遺和歌集)
(2009年12月3日の「冬の月」の記事は削除しました。)