志賀の浦やとほざかりゆく波まよりこほりていづ るありあけの月(新古今和歌集)
笹の葉のさやぐ霜夜の山かぜに空さへこほる有明の月(続拾遺和歌集)
さゆる夜の雪げのそらのむら雲をこほりてつたふ有明の月(新拾遺和歌集)
山の端(は)はそれとも見えず埋もれて雪にかたぶく有明の月(続拾遺和歌集)
さえこほるあらしの風を身にしめてひとりぞ見つるありあけの月(宝治百首)
さびしさは色もひかりもふけ果てて枯れ野の霜にありあけの月(新続古今和歌集)
ながき夜のねざめの涙ほしやらで袖よりこほる有明の月(新拾遺和歌集)
(2009年12月4日の「冬の有明月」の記事は削除しました。)