monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

糸遊(いとゆふ)・陽炎(かげろふ)

2012年02月12日 | 日本古典文学-和歌-春

かすみ晴れみどりの空ものどけくてあるかなきかに遊ぶ糸ゆふ(和漢朗詠集)

晴れくもりわたる春日(はるひ)もかげろふのあるかなきかの小野の糸ゆふ(草根集)

しづ けくて吹きくる風もなき空に乱れてあそぶ糸ぞ見えける(永久百首)

春風ののどかに吹けば青柳(あをやぎ)の枝もひとつにあそぶ糸ゆふ(夫木抄)

春の織る花の錦(にしき)のたてぬきに乱れてあそぶ空の糸ゆふ(夫木抄)

はるばるとあさみどりなる大空にあそぶ糸をやながめくらさむ(永久百首)

いつとなく思ひみだれて過ぐる世にうらやましきはあそぶ糸ゆふ(六百番歌合)

空に知れ春の軒ばにあそぶ糸の思ふ筋(すぢ)なき身のゆくへをば(六百番歌合)

かげろふのほのめく影を見てしよりたれとも知らぬ恋もするかな(続古今和歌集)

つれづ れの春日にまよふかげろふの影みしよりぞ人は恋しき(新後拾遺和歌集)

夢よりもはかなきものはかげろふのほのかに見えしかげ にぞありける(拾遺和歌集)

世の中と思ひしものをかげろふのあるかなきかのよにこそありけれ(古今和歌六帖)

何事(なにごと)をわれなげ くらむかげろふのほのめくよりも常(つね)ならぬ世に(続古今和歌集)

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