浅緑染め懸けたりと見るまでに春の柳は萌えにけるかも
(万葉集~バージニア大学HPより)
柳を 藤原信実朝臣
春はまつなひきにけりなさほ姫のそむる手引の青柳の糸
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
延喜御時、御屏風に 凡河内躬恒
春雨の降そめしより青柳のいとのみとりそ色まさりける
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
春雨の色をはふかく染めはてて風のよるてふあをやきの糸
(建長八年九月十三日・百首歌合~日文研HPより)
女御徽子女王家歌合に、柳 壬生忠見
青柳の糸はみたれて春ことに露の玉まく(イ露の玉ぬく)をとや成らん
(続後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
柳を 前中納言定家
浅みとり玉ぬきみたる青柳の枝もとをゝに春雨そふる
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
ももしきの大宮人のかづ らけるしだり柳は見れど飽かぬかも
(万葉集~バージニア大学HPより)
くりかへしすきにしはるもゆくすゑもかかるやなきのいとやなからむ
たまひかるいとかとみゆるあをやきになひかぬひとはあらしとそおもふ
(前斎院桜柳歌合~日文研HPより)
二月十九日於左大臣橘家宴見攀折柳條歌一首
青柳の上枝攀ぢ取りかづ らくは君が宿にし千年寿くとぞ
(万葉集~バージニア大学HPより)
春くればしだり柳のまよふ糸のいもが心になりにけるかな
(和漢朗詠集~岩波の日本古典文学大系)
さてきさらきはかりにやなきのしなひものよりもけになかきなん此家に有けるを折て
青柳の糸うちはへてのとかなる春日しも社思出けれ
(大和物語~バージニア大学HPより)
題しらす よみ人しらす
花みにはむれてゆけとも青柳のいとのもとにはくる人もなし
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
花見侍けるに、斎院より、いみしくなかき柳の枝をおりて、「いとのもとには」といはせて侍けれは 堀川右大臣
ちりぬへき花をのみこそ見にきつれ思ひもよらぬ青柳の糸
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
参議雅経はやう住侍ける家に、まりのかゝりの柳、二もと残りて侍けるを見て読侍ける 侍従雅有
故郷のくち木の柳いにしへの名残は我もあるかひそなき
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
堀川院かくれ給てのちよめる 権中納言国信
君なくてよるかたもなき青柳のいとゝうき世そ思ひみたるゝ
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)