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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 春 二月二十日頃

2013年02月20日 | 日本古典文学-春

 二月廿日ころに雪のいたくふりたりけれは
雪ふかみさらにとちてそ冬こもる春にあけてし槇の板戸を
(出観集~群書類従15)

二月の廿日あまりのころ、大内花見せよと小侍従申けれは、いまたひらけぬ枝につけてつかはしける 従三位頼政
思ひやれ君かためにと待花の咲もはてぬにいそく心を
返し 小侍従
あふ事をいそかさりせは咲やらぬ花をはしはしまちもしてまし
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

如月の二十日あまり、朱雀院に行幸あり。花盛りはまだしきほどなれど、弥生は故宮の御忌月なり。とく開けたる桜の色もいとおもしろければ、(略)
(源氏物語・乙女~バージニア大学HPより)

はるばると霞みわたれる空に、散る桜あれば今開けそむるなど、いろいろ見わたさるるに、川沿ひ柳の起きふしなびく水影など、おろかならずをかしきを、見ならひたまはぬ人は、いとめづらしく見捨てがたしと思さる。
(源氏物語・椎本~バージニア大学HPより)

如月の二十日あまり、南殿の桜の宴せさせたまふ。(略)
日いとよく晴れて、空のけしき、鳥の声も、心地よげなるに、(略)
楽どもなどは、さらにもいはずととのへさせたまへり。やうやう入り日になるほど、 春の鴬囀るといふ舞、いとおもしろく見ゆるに、源氏の御紅葉の賀の折、思し出でられて、春宮、かざしたまはせて、せちに責めのたまはするに、逃がれがたくて、立ちてのどかに袖返すところを一折れ、けしきばかり舞ひたまへるに、似るべきものなく見ゆ。
(源氏物語・花宴~バージニア大学HPより)

きさらぎの廿日あまりの月とともに都をいで侍れば、(略)いとさかりと見ゆる桜の、ただ一木あるも、これさへ見すてがたきに、ゐなか人と見ゆるが、馬のうへ四五人、きたなげならぬが、またこの花のもとにやすらふも、おなじ心にやとおぼえて、
ゆく人の心をとむるさくらかな花やせきもりあふさかの山
(問はず語り~岩波文庫)

コメント (2)
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