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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 夏 余花

2013年04月07日 | 日本古典文学-夏

二条関白家にて人々残花の心をよませ侍けるによめる 藤原盛房
夏山のあをはましりのをそ桜はつ花よりもめつらしき哉
(金葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

くちのこるはるのいろとややまかけのあをはにしつむはなのうもれき
(夫木抄~日文研HPより)

遅桜のさきて侍けるを見てよめる 後西園寺前内大臣女
何をかは春のかたみと尋まし心ありけるをそさくら哉
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

残花の心を 太上天皇
尋はや青はの山のをそ桜花の残るは春のとまるか
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

夏の歌の中に 院御製
時過て青葉にましるをそ桜春は梢にとまるなりけり
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

余花似春
夏山のしけみかおくにかくろへて春をやとせる花の陰かな
(草根集~日文研HPより)

こけのうへにちりつむ花をかきためてはるのなごりををしむやまざと
(為忠家初度百首~「新編国歌大観4」)

太皇太后宮大弐、四月に開たる桜を折てつかはし侍けれは 京極前関白家肥後
春はいかに契をきてか過にしとをくれて匂ふ花にとはゝや
(新勅撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

うつきにさけるさくらをみてよめる 紀としさた
哀てふことをあまたにやらしとや春にをくれてひとりさくらん
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

遅桜につけて、人のもとにつかはしける 赤染衛門
山かくれ人はとひこす桜はな春さへ過ぬたれに見せまし
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

後朱雀院の御事を思召歎きて白川殿におはしましける比、四月許に御前の花はちりはてゝ青葉なる梢を御覧して 上東門院
おしまれしこすゑの花は散はてゝいとふみとりの葉のみ残れる
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)