「尾花が袖」という用語は日本国語大辞典・第二版の項目がありますが、「尾花の袖」は立項していません。意味は同じで、「尾花が風になびくさまを、人を招くのにゆれる袖に見立てていう語。」ですが、「尾花が袖」よりも「尾花の袖」の方が用例としては早いです。
招くにし秋のとまらぬものならば尾花の袖やせばくなりなむ
(42・天暦二年九月十五日庚申陽成院一宮姫君歌合、十巻本、37)
萩谷朴『平安朝歌合大成 増補新訂 第一巻』同朋舎出版、1995年、310ページ
ならびふす尾花の袖のかさなりてほずゑもつたふ秋の白露
(夫木和歌抄、巻第十三・秋部四、露)
『校註国歌大系 第二十一巻(夫木和歌抄・上巻)』国民図書、1930年、394ページ
けふといへは-をはなのそての-わかれまて-ひきとめかたく-あきそくれゆく
(延文百首)~国文学研究資料館HPより