monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「薄葺き」という単語

2015年11月23日 | 日本国語大辞典-あ行

 「薄(うす)葺(ぶ)き」という単語は日本国語大辞典・第二版には立項していませんが、以下の用例があります。

くるはるは-かつらきやまや-こえつらむ~(略)~まきのうすふき-めもあはて~
(久安百首、郁芳門院安芸)~日文研HP・和歌データベースより

やまさとの-まやのうすふき-まはらにて-あはぬおもひの-なそやひまなき
(万代集・1820)~日文研HP・和歌データベースより

なお、いわゆる広島県の屋根屋には、厚葺きを主とする高田派と、比較的薄葺きの音戸派があるということを白木町で聞いたが、 (略)
(Ⅲ・生活の諸相)
『広島県史 民俗編』編集・発行 広島県、1978年、991ページ


「苫葺(とまぶき)」用例

2015年11月23日 | 日本国語大辞典-た行

 「苫葺(とまぶき)」という単語の語釈は「苫で屋根を葺(ふ)くこと。また、その葺いた屋根。」とのことで、日本国語大辞典・第二版では、『日葡辞書』(1603-04年)からの例を早い用例としていますが、もっとさかのぼる用例があります。

暁に成にけらしな苫葺(とまぶ)きの蘆刈(あしか)り小舟島つたふ也
(雑廿首、暁、顕仲、1286)
『和歌文学大系15 堀河院百首和歌』明治書院、2002年、236ページ

つるかのおきを-いつるふなひと/とまふきの-やかたにおける-あつさゆみ(「続草庵集」・577)
(日文研HPより)

秋の田のあしのまろ屋のとまふきに雨もらぬまてかくるいねかな(「草根集」9772)
今朝みれは山田の庵とまふきに初霜ふりぬおくてかるへく(「草根集」9783)
(日文研HPより)


「笹葺き」用例

2015年11月23日 | 日本国語大辞典-さ行

 「笹葺き」という単語の語釈は「笹の葉で屋根を葺(ふ)くこと。また、その屋根や家。」で、用例は日本国語大辞典・第二版では、『春夢草』(1515-16年)からの例が早いのですが、さらに、100年以上さかのぼる用例があります。

小山田のいほのささぶき露さむみなれていくよをもりあかすらん
(39・延文百首、藤原実夏、雑十首、田家、1896)
『新編国歌大観 4私家集編2、定数歌編 歌集』角川書店、1986年、570ページ