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古典の季節表現 春 一月 除目(ぢもく)

2013年01月11日 | 日本古典文学-春

うちわたりは、除目のほどなども、いとをかし。雪降り、いみじく氷りあれたるに、申文ども持てありく、さわぐにも、四位五位の若やかなるは、たのもしげなり。老いてかしら白きなどが、この人かの人と面面(おもておもて)にうれへありき、女房の局にも来つつ、わが道理あるよしなど、心ひとつやりていひ聞かすれど、深き心も知らぬ若き人人などは、何とかは思はむ、わが大事と思はぬままには、をこがましげに思ひて、かほのまねをし、いひ笑へど、さも知らず、「よきに啓したまへ、あが君、あが君」などいふこそいとほしけれ。さいふいふも、し得たるをりは、いとよし。得ずなりぬるこそあはれなれ。
(枕草子・前田家本)

除目の比、梅花につけて奉りける 大蔵卿行宗
かくこそは春まつ梅は咲にけれたとへん方もなき我身かな
御返事 崇徳院御歌
八重桜ひらくる程を頼まなん老木も春にあはぬ物かは
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

大江挙周、つかさめしにもれて歎き侍ける比、梅花を見て 赤染衛門
思ふ事はるとも身には思はぬに時しりかほにさける花かな
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

除目の比、つかさ給はらて歎侍ける時、範永かもとにつかはしける 大江公資
年ことに涙の川にうかへとも身は歎かれぬ物にそありける
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)


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