かさとりのやまとたのみしきみをおきてなみたのあめにぬれつつそゆく
(宗于集~日文研HPより)
(東宮のかくれ給へる比よめる)
君まさぬ春の宮には桜花泪の雨にぬれつゝそふる
(紀貫之集~群書類従15)
こと女に物いふときゝて、もとのめの内侍のふすへ侍けれは よしふるの朝臣
めもみえす涙の雨のしくるれは身のぬれきぬはひるよしもなし
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)
春雨の降る日
つれづれとふれば涙の雨なるを春のものとや人の見るらん
(和泉式部続集~岩波文庫)
いとせきかたき涙の雨のみふりまされはいとわりなくていつかたにもおほつかなきさまにてすくし給
(源氏物語・幻~「源氏物語大成」池田亀鑑編著)
後冷泉院くらゐにつかせ給ひけれは、さとにまかりいて侍りて又のとしの秋、東三条のつほねの前にうへて侍けるはきを人のおりてもてきたりけれは 麗景殿前女御
こそよりも色こそこけれ萩の花涙の雨のかゝるかきりは(イかかる秋には)
(後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
ひとしれぬなみたのあめはふりそへとおもひはえこそけたれさりけれ
(久安百首-親隆~日文研HPより)
わかこひはなみたのあめのよにふりてそてよりほかにあらはれにけり
(六百番歌合~日文研HPより)
母のためにあはたくちの家にて仏供養し侍ける時、はらからみなまうてきあひてふるきおもかけなとさらにしのひ侍けるおりしも、雨かきくらしふりはへりけれはかへるとて、かの堂のしやうしにかきつけはへりける 右大将忠経
誰もみな涙の雨にせきかねぬ空もいかゝはつれなかるへき
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
かきくらす涙の雨のあし繁みさかりにもののなげかしきかな
(山家和歌集~バージニア大学HPより)
平重時身まかりて後、仏事のおりしも雨のふりけるに、平長時かもとにつかはしける 中務卿親王
思ひ出るけふしも空のかきくれてさこそなみたの雨とふるらめ
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
三条入道内大臣女身まかりにける比 式部卿久明親王
立のほる煙も雲も消にしをなみたの雨そはるゝよもなき
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
ふりまさるなみたのあめはうきくものはれぬおもひのゆくへなるらし
(延文百首-通相~日文研HPより)
いかにせん涙の雨にかきくれてしたはむ月の影もわかねは
(鳥部山物語~バージニア大学HPより)
さはるぞと聞きて心や盡きぬらん
涙の雨のくらきともし火
(菟玖波集-藤原長泰~バージニア大学HPより)
かねてより山道つくられて木草きりはらひなどせられつれど露けさぞわけんかたなき。涙の雨のそふなるべし。
(増鏡~国文学研究資料館HPより)
さしも心に懸けし花の。かつらもしぼむ涙の雨より散りくる花を慕ひ行けば。
(謡曲「泰山府君」~半魚文庫より)
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