monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 夏 夏の恋

2017年06月17日 | 日本古典文学-夏

題しらす みふのたゝみね
ゆめよりもはかなき物は夏のよの暁かたの別なりけり 
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

臥すほどもなくて明けぬる夏の夜は逢ひても逢はぬ心地こそすれ
(源氏釈所引の源氏物語・東屋の出典和歌~バージニア大学HPより)

四月ばかり、人来て夜更けて
夏の夜を明かしも果てでゆく月を見に来むとだに思ひおこせよ
(和泉式部集~岩波文庫)

八条太政大臣家歌合に、夏恋 左京大夫顕輔
夏ころもひとへにつらき人こふる我こゝろこそうらなかりけれ
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

うらなくもなにたのみけむうすころもひとへにかはるひとのこころを
(永享百首~日文研HPより)

うすくなる人の契は夏山の梢にさらす蝉のはころも
(宗尊親王百五十番歌合~日文研HPより)

ま葛延ふ夏野の繁くかく恋ひばまこと我が命常ならめやも
(万葉集~バージニア大学HPより)

わかこひはあはてのもりのなつくさのひとこそしらねしけるころかな
(建保名所百首~日文研HPより)

あふことはなつのにしけるこひくさのかりはらへともおひむせひつつ
(散木奇歌集~日文研HPより)

草のいと青う生ひたるを見て
わが心夏の野辺にもあらなくに繁くも恋のなり増さるかな
(和泉式部続集~岩波文庫)

題しらす 坂上是則
をしかふす夏野の草の道をなみしけき恋路にまとふ比哉 
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

夏草にましるさゆりにおくつゆのかゝる袖ともいかてしらせん
(「古筆への誘い」国文学研究資料館編、平成17年、三弥井書店)

夏草のしげみがしたのむもれ水かよふ心を知る人もなし
(拾藻鈔)

夏恨恋
夏引のあさほすをふのうらみてもかひなき袖の五月雨の比
(草根集~日文研HPより)

よそにのみ思ひけるかな夏山の繁き嘆きは身にこそありけれ
(うつほ物語~新編日本古典文学全集)

恋ひ死なば恋ひも死ねとやほととぎす物思(も)ふ時に来鳴き響(とよ)むる
(万葉集~岩波文庫)

寄虫恋 成茂 
ひるはきえ暮るれはもゆる夏虫のいはぬ思ひをそれとしらなん
(宝治百首~日文研HPより)

みをすててひとつおもひにこかれたるこころそなつのむしにまされる
(陽成院歌合~日文研HPより)

なつふかきもりのうつせみおのれのみむなしきこひにみをくたくらむ
(金槐和歌集~日文研HPより)

おのづからむすぶちぎりもなつ川のうたかた人に消えつつぞふる
(紫禁和歌集)

大夫そばのもみぢのうちまじりたるえだにつけてれいのところにやる。
なつやまのこのした露のふかければかつぞなげきのいろもえにける
かへりごと
つゆにのみいろもえぬればことのはをいくしほとかはしるべかるらん
(蜻蛉日記~バージニア大学HPより)

夏の日も朝夕涼みあるものをなど我が恋のひまなかるらむ
(源氏釈所引の源氏物語・若菜下の出典和歌~バージニア大学HPより)

わきもこかあせにそほつるねよりかみなつのひるまはうとしとやおもふ
(好忠集~日文研HPより)

題しらす 読人不知 
あまのはらふみととろかしなる神も思ふなかをはさくるものかは
(古今和歌集~日文研HPより)

神鳴る日、妻のもとにて、「いかが」と問ひたる人に
わがためもいとど雲居になる神もまことに放(さ)けぬ名こそ惜しけれ
(和泉式部続集~岩波文庫)


薄田泣菫「忘れぬまみ」

2017年06月09日 | 読書日記

忘れぬまみ 薄田淳介(薄田泣菫)


夏野の媛(ひめ)の手にとらす
 しろがね籠(がたみ)、ももくさの
香(か)には染(し)むとも、追懷(おもひで)は
人のまみには似ざらまし。


伏目(ふしめ)にたたすあえかさに、
ひと日(ひ)は、白き難波薔薇(なにはばら)、
夕日がくれに息(いき)づきし
津の國の野を思ひいで。


ひと日(ひ)は、うるむ月の夜(よ)に、
水漬(みづ)く磯根の葦の葉を、
卯波(うなみ)たゆたにくちづけし
深日(ふけひ)の浦をおもひいでぬ。

(青空文庫の「白羊宮」より)


「葉柴」という単語

2017年06月08日 | 日本国語大辞典-は行

 「葉柴(はしば)」という単語は日本国語大辞典・第二版にも角川古語大辞典にも立項されていませんが、以下の複数の用例があります。語釈としては「葉の付いた枝」という意味のようです。

 露
枝折(しほり)する楢(なら)の葉(は)柴に散(ち)る露のはらはらとこそ音(ね)は泣(な)かれけれ
(長秋詠藻、上、147)
『和歌文学大系22 長秋詠藻・俊忠集』明治書院、1998年、29ページ

ふきすさふ-みやまおろしも-ふもとなる-ならのはしはに-おとたてつなり
(白河殿七百首・668)~日文研HPの和歌データベースより

寄椎柴恋
いからなん椎の葉柴の下もえにあまるけふりは思ひけつとも
(巻第四百八十八・春夢草)
『続群書類従・十七輯下(訂正三版)』1958年、850ページ


歯と健康

2017年06月08日 | 雑日記

 知り合いに「歯並びの良い人を結婚相手に選んだ」という女性がいます。歯の噛み合わせが悪いと健康に悪影響を与えるそうなので、「歯」を判断基準にするのは正しいのかもしれません。
 十代後半までに噛み合わせが形成されるそうです。子供のしつけとして、行儀よく食事するよう習慣づけておけば、自然と正しい噛み合わせとなるので、気を付けましょう。姿勢よく食事をして、噛んでいる最中は箸も食器も持たない、のがよろしいようです。
 すでに自分は手遅れですが、歯並びが悪くなってきたと気になってはいたので、歯医者さんで歯の矯正でもしようかと考えてます。

 


音楽教室からも著作権料!

2017年06月07日 | 音楽

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が、ピアノなどの音楽教室での演奏について、来年1月から著作権料の徴収を始める、というニュースに驚きです。将来的には個人教室からも徴収するらしいです。(すでにカラオケ教室は、著作権料徴収を行なっているそうです。)
 演奏会なら著作権料は当然とは思いますが、習い事なのに必要と言われても……。
 ピアノ教室での楽曲の練習の回数ごとに著作権料を支払う、というようなことになるのでしょうか?