monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「穂蓼(ほたで)」用例

2017年06月04日 | 日本国語大辞典-は行

 「ほたで(穂蓼)」という単語の用例は、日本国語大辞典・第二版では、『新撰六帖』(1244年頃)からの例が早いのですが、200年以上さかのぼる以下の用例があります。

我がやどのほたでふるともとりうゑしみちなるまでに君をしまたん
(4・古今和歌六帖、第六、たで、3868)
『新編国歌大観2』角川書店、1984年、246ページ


「シュトヘル14巻」で完結

2017年06月03日 | 読書日記

 伊藤悠の「シュトヘル」(小学館)が14巻で完結してました。
 ユルールかシュトヘルのどちらかは劇的な死を遂げる、というラストを期待していたのですが、ちょっと拍子抜けな幕切れでした。せめてハラバルぐらいは悲劇的な最期でもよかったのになー。(なぜあの場でハラバルが始末されなかったのかが不明。)


「瀬際」という単語

2017年06月02日 | 日本国語大辞典-さ行

 「瀬際(せぎわ)」という単語は、日本国語大辞典・第二版には立項していませんが、以下の用例があります。

なはしろにせきとるかはのあたりとて道も瀬きはの春のやま水
(38・文保百首、藤原為実、春二十首、2315)
『新編国歌大観 4私家集編2、定数歌編 歌集』角川書店、1986年、528ページ

であるから、必ず流れを遡る若鮎の群れには大きな鱒がつきまとい、瀬際の揉(も)み合わせに鱒が跳躍するところには必ず若鮎の大群がいた。
(利根川の鮎)
『垢石釣り紀行(つり人ノベルズ)』佐藤垢石、つり人社、1992年、45ページ

殆んど脱衣場や休憩室といふべき場所もないので、晴天の日は人は多く渓の石の頭に衣服を脱ぎ、飛沫のかゝる瀬際に立つて浴後の赤い素肌を晒すのである。
(「追憶と眼前の風景」)
『みなかみ紀行』若山牧水、書房マウンテン、1924年、99ページ

大型のキスはなぜかカケアガリ際とか瀬際などにいることが多い。これはすぐに自分の身を隠すことができるか、または、瀬際ではべルヌーイの定理という物理現象にも似たような現象が起きて、水流の速さが瀬際だけ少し速く変わり、エサなどが多くいるのかもしれない。
(第5章・実戦サビキの実態)
『鍛治泰之の大ギス投げ釣り』鍛治泰之、文芸社、2006年、95ページ