日本時間の15時はアテネの午前9時。月曜朝の活動が始まっているが、銀行は開かなかった。それにしてもブリュッセルでギリシャ交渉団がEU債権団と詰めの交渉をしているところに、急転直下の方針変更が伝わり、ギリシャ側交渉団も「寝耳に水」状態だったというから、驚くとともに、さも、ありなん!ということだろう。
6月19日(金)のここに、来週月曜日はギリシャの銀行は開いていないのではと書いたが、1週間遅れで期せずして現実のものとなった。IMF交渉団がギリシャが提出した改革案の余りの内容のなさに、あきれ果てて席を蹴ってワシントンに引き上げていったという(一種のパフォーマンス)のニュースを見て、交渉相手としてのチプラス政権に見切りをつけたのではと思った次第。
IMFに限らずEU債権団にしても、忍耐強く対応してきた相手(チプラス首相)が、国家を代表した決定権者だと思っていたのが違っていたというのが、国民投票に判断丸投げということのように思われる。
(銀行が開いても)預金の引き出し制限などがどこまで続くのか現時点で未定。ギリシャでは不便な生活に国民の不満は高まるのだろう。先週末金曜日にここに書いたが、「オオカミは来ない」はずが来る可能性が高まるということで、さすがにギリシャ国民も現実直視ということになるのではないか。すなわち、政権交代の流れが見えてくる。 ギリシャは離脱させたくないのだが、イデオロギーを前面に出した交渉相手の度重なる日和見主義的な対応に疲れ果てた債権団。この先、合理的な話し合いの出来る相手の登場につながるのか否か。それは自らの政治信条にのっとり、ゲーム巧者を自認する取り巻きのアドバイスに従い危険な賭けに出た代表者が、ギリシャ経済をさらなる苦境に陥れる結果もたらされるだけに、皮肉ではある。
楽観し、油断していたマーケットはどこまで動揺を抑えられるか。官制相場の日本株とはいえ欧米が下がると、さすがに連動すると思われる。利下げが効かない中国株の動向もセンチメントに影響する(不安心理を増幅)。
これから事態は屈折しながら進む。それがマーケットの他の材料とどう共鳴していくか。新たな流れが始まった。
韓国の女性が街角に立って「金の募金」を募った話って凄いナ、と思う。