花と緑を追いかけて

山を愛し、花を愛し、旅と
映画とパソコンと、好奇心も
いっぱいの主婦の日記です

台風と銀竜草

2005年08月26日 | 花シリーズ
直撃かと恐れていた台風は、真夜中に横須賀辺りをかすめて行ったよう
です。
一晩中、バケツをひっくり返したような激しい雨の音がしていましたが、
風の音はあまり聞こえませんでした。
今日は台風一過の晴天、暑くなりました。
朝方は、我が家から富士山が見えていましたよ。

7月27日に「台風一過」と言う題でここにUPしましたが、今日はその続編です。
前回は我が家の上を通過して行った去年の台風22号での被害と、子供の頃に
住んでいた、新潟で体験した「第二室戸台風」の様子などを綴りましたが、
今回は「山」で体験した台風のお話です。

今から15年前、ご近所の0夫妻と「木曽駒が岳~宝剣岳」と登り、山の魅力
に目覚め始めた私に、仕事仲間のKさんが「このコースに行きたいの」と、
”蝶ヶ岳~常念岳~燕岳”のトレッキングツアーの案内を指差すのです。

彼女は50歳のご主人を、胃がんで亡くしてまだ一年目の夏でした。
昔山をやっていた友人ご夫妻に、慰めの登山に連れて行かれて「丹沢の檜洞丸」
と「会津駒ケ岳」は登ったと聞いていたのですが---
「三番目の山が、いきなり北アルプス」ヒェ~でした。

デモデモ"槍、穂高の展望コース”と書かれているキャッチコピーを見て、私も
行きたくなったのです。「行こう」と即決でした。
その話を聞いていた、同じ仕事仲間のYさんが「私も行きた~い」と合流。

Yさんは、ご主人の転勤で旭川に住んでいた時、大雪山に登って大感激した
思い出が忘れられないそうです。
こうして、さくら(勤め先)3人組「北アルプスいきなりデビュー」となりまし
た。私は娘時代から、白馬とか八ヶ岳はちょこちょこっと登っていたんですが---.

徳沢園から登った長塀山は、直登に近くてヒィ~ヒィ~でしたが、苦しくなると
休憩タイムが入って、ホッさすが、プロガイドの案内です。
この山の林の中で、生まれて初めて銀竜草を見ました。

やっとたどり着いた蝶ヵ岳ヒュッテの前からは、穂高連山の荒々しい岩峰が
目の前に望めて、3人とも、、唯唯見入っていました

翌日も晴天、一旦ド~ンと下ってから、お隣の「常念岳」に登り返すのです。
「槍ヶ岳」がだんだん近くなってきます。小槍まで見えてきて
そのうち槍にひとすじの雲がかかって---午前11時、いよいよ常念への最後の
登りに差し掛かった頃から雲行きが怪しくなりました。
「常念岳頂上」はガスの中雨具を身につけ、写真を撮って、40分下って
小屋についたとたん、カミナリが鳴り出し凄まじい雨が落ちてきました。

台風が九州方面に接近しているというニュースは知っていましたが、その後
どうやらこの中部山岳地帯に向かっているらしい

翌日は、一日中風も強くて、常念小屋に閉じ込められてしまったのです。
ウッディーなこの小屋は「生ビール」も楽しめるし、TVや無線電話もありま
した。その点では申し分なかったのですが、雨戸が閉まって酸欠状態
テント泊の人まで皆入ってきたので、布団一枚に5人という超過密状態も経験
しましたわこれって、想像できますか

そんなこんなで「北アルプス初デビュー」は台風つきのおまけまでありました。
そして何と言っても、その後の台風一過のピカピカの中の「横通岳~大天井岳
~燕岳」のコースは、全部の山々が見渡せる中でのトレッキング
あれを味わったら、もうやめられなくなりましたね

私たち3人は、その後ひたすら「山」にのめり込んで行きました。
まだ40代の前半で「若さ」もあったのでしょうね~~~
今なら、一つの布団に交互に5人と言う状況を体験したら、きっと嫌気がさして
二度と山には行かなかったかも知れません。

写真はこの時初めて見た「銀竜草」です。
雨の多い南アルプスにも多いけど、キノコというべきかお花と言うべきか
中を覗くと、青く光る目が---神秘的と言うべきか不気味と言うべきか
とにかく不思議な植物です。







コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする