2月24日・・(3)
「アルバニー」はサザンオーシャンに面し、クラレンス山とメビル山に挟まれた、南部最大の港町です。
歴史は古く、1826年に西オーストラリア州で最も早くイギリス人が入植し、その後、捕鯨基地として発展を遂げ、今日に至ります。
西オーストラリア州では、パース、バンバリーに次ぐ大きな街で、人口は3万人・・・街なかには19世紀に建てられた石つくりの建物が数多く残っています。
私たちは「ナチュラル・ブリッジ」の絵葉書を握りしめ、インフォメーションを探しました。
古い建物の前に
iマークがアッタァ~
郷土資料館のような建物の中に、老婦人が一人で受付にいました。
「ここに行きたいのですが」と絵葉書を示したら、突然飛び込んできた東洋人にビックリしたのか、老婦人はシドロモドロ

ペラペラペラ~と早口で説明しだしました。「はぁ~?」
「マップ、プリーズ」とお願いしても、首を振るばかり

ついに外に連れ出されて、湾の右側の岬を指差して「あっちだ」とのポーズ。
私たちも冷や汗ものでしたが、老婦人も汗をかいていましたよ

驚かせてごめんなさいね。
今までのビジターセンターと全然違っていたので、もう一度表示板を見に行きました。

「ツーリスト→」と書かれた所に行ってみようと主張したら、主人は「そこは旅行社だ」と・・・でもとりあえず行って見ました。
やはり立派なビジターセンターが別にあって、若い女性が受付に3~4人、ニッコリ微笑んで「トーンドラップ国立公園」の地図を取り出し、ナチュラル・ブリッジの所に印をつけてくれました

ビジターセンターの駐車場から見た風景です。歴史が感じられる、落ち着いた街でした。

老婦人が教えてくれたとおり、湾の右側の岬に向かって車で20分、ウエストケープには、波が岩を浸食して作り上げた岩の橋「ナチュラル・ブリッジ」や、高さ30mにも及ぶ断崖「ザ・ギャップ」といった観光名所がありました。
ここが大家さんお勧めの「ナチュラル・ブリッジ」です

特に立ち入り禁止にもなっていませんが、足がすくみます。
何年か前、韓国の高校生がふざけて渡って落っこちた

と聞きました。

夕方になって、南極渡りの風が冷たいこと・・・
ちなみに私がかぶっている帽子は、主人に対抗して今回パースで買ったカーボーイハットです。布製でカンガルーハットではありませんが、イマイチ馴染んでいませんね

主人いわく「インディアン帽子みたいだ」だって

、負けました。

オーストラリア版「東尋坊」とでも言いましょうか・・
名物の説明オバさんもズラリと並ぶお土産屋さんもありませんが・・・
大型の観光バスが停まっていました。
すれ違う人から「グッダイ」という挨拶を受けました。
前の日の午前中、一時間歩いた岬でも「グッモーニング」と声をかけられましたから、こちらでは日本の山と同じように、すれ違う時には挨拶を交わすのがエチケットのようです。
グッダイ=good dayということだと思いますが・・オージーが皆良い人に見えてきますね
アルバニーでは主要産業だった捕鯨も、1978年には終わりを告げました。
当時の捕鯨基地は、捕鯨に関する資料博物館としては世界最大規模の「ホエール・ワールド博物館」として公開されているそうです。
でも私たちは急いで帰らなければなりません。
いつか又ゆっくりと訪れてみたい街「アルバニー」に別れを告げました。
夕方の5時前「Perth,408km」と書かれた標識を見ながらハイウェー30号線に入りました。
明るいうちは私が運転です。

オーストラリアのハイウェーやフリーウェーを走っていると、よくカンガルーの死骸が横たわっています。車にぶつかってくるのは「夜」が多いと聞いたので、出来るだけ明るいうちにパースに戻りたかったのです。
途中の町でガソリンを満タンにして、パンやジュースも買いました

パースの家まで420km、

ひたすら走るだけです。

1時間半ほど運転して、主人と代わりました。
夜7時半過ぎ、広い大地に日が沈みます。
さぁ~ここからが勝負

あの大きなカンガルーが突然飛び出してきたら、避けようがありません。
車は大破しそうです。幸いパースに近付くにつれて、車の数が多くなってきました。
日本ならスルスルと追い抜くのが得意の主人も、110kmの速度制限を守って、ランクルの後ろに付いて走ります。これが1番安全です。
60%は日本車なので、海外で走っている感じがしませんね。
道路脇のガソリンスタンドも多くなって、お店も電気が付いています。まずは一安心しました。
市内に入った時、パースの街はこんなに大都会だったかしら?と思うくらい感激しました

9時過ぎても、ファーストフード店は開いているよ

でももうハンバーガーはノーサンキュー

「家にうどんの乾麺があったから、サラダうどんを作って食べよう」
9時半過ぎに、バイズウォーターにある家に無事到着です

鍵を開けたら

が鳴りました。
大家さんからです。
「荒川静香が金メダルを取ったんですよ。10時からTVでやりますから見てください」


シャワーを浴びて、サラダうどんをつまみに

を飲みながら、オリンピックのTVを見ました。
頭の奥で、まだ見てきた風景がグルグルと廻っているようでした
