花と緑を追いかけて

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いっぱいの主婦の日記です

雪の残る北鎌倉・「明月院」

2011年02月16日 | 鎌倉散策
母が今日(2月16日)藤沢市にある療養型病院に転院しました。
先週から天気予報は雪だるまマークが目立ちましたが、今日は穏かな日和に恵まれて本当に良かった・・・

最初の予定では、今月初めに鎌倉駅近くの病院に移るはずでしたが、
母はMRSA菌値が高くて入院を拒否されました

それでようやく見つかったのが、この菌の数値が高い患者専用の病室がある藤沢の病院。
鎌倉よりも更に遠くて、入院費用もバカ高(同じ医療保険病棟なのに、今までの病院の4倍)ですが、
終末まで看てくれる介護病棟も付属されているので決めました。

と言うより、地域の中核病院に入院して三ヶ月・・・
もうこれ以上今の病院に置いてもらえず、受け入れてくれる病院がここしかなかったのが実情です。


2月11日の雪は、ニュースで大騒ぎしたわりにはさして積もりませんでしたが
バレンタインデーの14日の雪は凄かったですね。
横浜は夕方の5時半頃から、雨が雪に変わりズンズン積りました
真夜中にベランダの手すりの雪を計ったら6cmの積雪でしたよ。

11日の雪のあと「今度雪が積ったら鎌倉のお寺に行ってみようと思っていた私・・
昨日は、母の病院の面会時間が始まる2時まで北鎌倉を散策してきました。
(鎌倉に行くのに超便利な、母の入院している病院通いもこの日で最後ですものね)

お天気が回復して陽が照り出し、せっかく積った雪もドンドン融けて行きました。
「山の陰になる日当たりの悪い小さなお寺なら雪が残っているかもしれない」
と選んだのが「明月院」です。

ご覧の通り、雪はほんの少し残っていました。


「アジサイ寺」として有名なこのお寺の事は、ここで何度も紹介していますので
詳しい事は省きます。
歴史などを知りたい方はこちらをご覧下さい。


「山門」に向う参道の階段の両脇にはアジサイがズラリと植えられており、
今は少し芽が出つつあるものの、全体的には茶色の枝が目立ちます。

姫アジサイの明月院ブルーが見事で、シーズン中は行列が出来る階段ですが、
この日は殆んど人の居ない静かな雪の残る「明月院」でした。


上を見上げるとあちこちに黄色の「ロウバイ」が・・・
黒いのは実でしょうか?

なるほど花はまるで違えども、初夏の「明月院」の庭に咲く、
私の大好きな「ナツロウバイ」の実にソックリです


漢字で書くと「蝋梅」
蝋細工のような美しさと言うところでしょうか・・・?

青空に映えて春色に輝いていました


「方丈」の周辺には雪が残っていました。


ご存知「満月」を現した方丈の「丸窓」から眺めた奥庭。
ハナショウブと紅葉の季節だけ一般公開されるお庭です。


冬の季節らしく「火鉢に鉄瓶」が置いてあります。
いつカメラを向けても「絵」になる空間ですね。


誰が作ったのか?、親子の雪だるま・・・
温かい日差しに融けだして、フニャフニャの姿になっていました。


こちらは「方丈」の左手奥にある「開山堂」

いつも季節のお花をいっぱい抱えている「花想い地蔵」も、暖かそうな赤い毛糸の帽子をかぶっています。

開山堂のすぐそばにはほぼ満開の紅梅と白梅が、昨夜来の雪で冷やされてヨレヨレぎみ



「開山堂」の右手には鎌倉十井の「瓶の井」があります。
詳しい事は↓をお読みください。


この十井の詳しい場所はこちらを参考にして下さい。

私のブログの中では「海蔵寺」の二つの井戸を以前紹介したことがあります。


「開山堂」の裏手の山側には夏ミカンがたわわに実っていて・・・
たくさんの「ロウバイ」が咲いていました。

ここだけビタミンカラー満載の明るい初夏の色に染まっていた感じです。


開山堂左手にある「やぐら」は、山内上杉家の祖上杉憲方の墓とされ「明月院やぐら」と呼ばれるもので
鎌倉最大(間口約7メートル、奥行き6メートル、高さ3メートル)のやぐらです。

やぐら内中央の宝篋印塔が憲方の墓と伝えられています。

壁面には釈迦如来、多宝如来が浮き彫りされており、
その周りに十六羅漢の浮き彫りもあるため「羅漢洞」ともいわれています。


雪国に住む人にとっては「春の音」
雪が融ける「雨だれの音」を聞きながら出入り口の総門近くまで戻ると
北条時頼の墓の横の廟の前に、可愛い色の梅が春の日差しを浴びて咲き出していました

今の季節の「明月院」は圧倒的に「ロウバイ」のお花が多いのですが、梅もなかなかのものでした。

雪を見に行ったつもりが、「春」を感じた鎌倉散策でした。

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さて、優雅な鎌倉歩きの後ですが、ここからは少々シリアスはオハナシです。

母は幸いこの一週間、熱が出ることもなく体調も落着いていて、何とか無事に転院できましたが・・・
ここまで来るのに色々大変な思いをしました。

今、病院のベッドがドンドン減っている現実を存知ですか
(地方は医師不足・看護士不足によるものが多いのですが、都会は意識的に減らされています)

私のホームドクターの話では、入院患者が増えると「健康保険」が赤字になるので、
国はできるだけ患者が入院しないで済む訪問看護に力を入れているそうです。

そして入院した場合、健康保険の点数が入院25日を過ぎると低くなるので
病院側は長期入院患者を抱えると赤字になっていくそうです。

ですから軽い人なら2週間、重い人でも3ヶ月で追い出されるシステムなのですね。


前政権(自民党政権時代)の時に決まった事ですが、病院の廊下を広くしたり1ベッドの空間を広くしたりと
病院の建築基準を変えて、1ベッド減らすと国から病院に500万円の補助が出るとか・・・
ある病院では20ベッド減らして1億円の補助金が入ったそうです。

今日母が転院した病院のソーシャルワーカーさんのお話では、
2013年までに療養型病院のベッドは半分に減らすという法案が出ていると嘆いていました。

財源不足は判りますが、血も涙もない政策に唖然とさせられます。
多額のお金と医者のコネの無い人の老後はもう真っ暗くら
ピンピンコロリを願うしかないようですわ

そんな怒りを鎮めるためにも出かけた「鎌倉歩き」でした。


コメント (28)
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