花と緑を追いかけて

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いっぱいの主婦の日記です

秋の「出羽三山」巡り・その3「月山下山」最終章

2011年10月21日 | 山シリーズ
月山頂上はガスがかかり、強風と寒さがいっそう増してきました。

10時45分出発と聞きましたが、頂上のトイレが使えるということで、
ほとんどの女性が並んで時間がかかり、実際の出発は11時近くになりました。


夏にはあたり一面お花畑が広がる「月山頂上」を出発します。

本道寺コース、岩根沢コースを左に分けて、姥沢口に下る岩礫地の登山道を行きます。
晴れていれば正面に「朝日連峰」がドカンと見えるはず・・・

ガスの中、足元を注意しながら急斜面をズンズンと下っていきました。


ガスが晴れてきました
正面に見えるのは「姥ヶ岳」
真ん中辺りで重なるように頭だけ見えているのが「湯殿山」だそうです。


三連休の最終日、行きかう登山者もそれなりにいて、道を譲り合いながらの下りとなります。

今回の我々の団体は30名、2名登らずにバスに戻ったので28名の山行です。
私個人で山を歩いている時には、できるだけ遭遇したくない団体様ご一行ですね。

急登の中、「登り優先ですのでお先にどうぞ」と言われても、追い越すのは大変
かといって長い団体の列を待つのも辛い・・・
今回私はすれ違う人には「スイマセンね~」ともっぱら謝りながら下りました。


牛首の分岐を直進して「姥ヶ岳」経由でリフト駅まで行けますが、私たちは左手に下りました。

1996年の8月上旬に主人とはるばる車で出かけ
「鳥海山」&「月山」&「山寺」と巡った事があります。
その時は、リフトの上駅から「姥ヶ岳」に登り、それから月山頂上を目指し往復しました。


姥ヶ岳の東面はカール状に開けた広大な凹地で、8月にはまだ雪渓に豊富な雪が残り
夏スキーを楽しむ人々の姿がたくさん見られました。

今の季節、月山南側のこちらのコースでは雪は見られず、
キツネ色に輝く草紅葉が広がっています。

カメラをズーミングしてみると、目ざす「リフト上駅」の建物が見えていました


岩だらけの登山道ですが、夏には白装束のご一行様が大勢やって来る信仰の山ですから
道幅は広く整備されています。


やがて木道歩きとなり、草紅葉はいっそう濃く鮮やかに映えて見えました。
青空ものぞいています。


黄色く色ついた潅木も増えてきました。

赤く染まったチングルマの葉これは何の実でしょう?


リフトの上駅に近づくにつれ、辺りの景色はいっそう鮮やかになってきました


リフトを使ってここまでなら、登山者でなくてもハイキング気分でやって来れる
「桃源郷」のような場所ですね。


歩いてきた道を振り返ってみると、月山頂上方面は相変らず濃い霧に覆われていました。

ここから5分、斜面を僅かに登り返すと「リフトの上駅」に出ました。

月山に登らずに弥陀ヶ原を周遊するだけでバスに戻ったご夫妻が、丁度リフトで登って来て
「あらぁ~、ずいぶん早かったのですね」と驚いていました


12時40分に到着しました
7時間どころか5時間半もかかっていませんよ。
下りの急降下で若干遅れる人が出ましたが、それでも皆揃って無事にたどり着きました。

ここで添乗員さんが各々に記念写真を撮ってくれました。
寒さ対策で二人ともモコモコ姿です


なだらかな下りのリフトの両側も見事な紅葉が見られました


リフトを降りてバスが待つ駐車場までの10分の道のりが叉素晴しい紅葉でした。
強風の中を必至で歩いた我々への、ご褒美のようですね

ほら!黄金のように輝いていますね。早めの雪でシミができ、アップは難しい



「弥陀ヶ原から5時間20分で縦走できたとは、このツァーでの新記録です」と
ガイドさんはおだててくれますが
何だか最初の脅しにひっかかって、皆頑張って歩いたような気がします。
作戦だったのかも知れませんね。

それと3連休のツァーに参加した人々は、まだ現役で働いている若い方が多かったのでしょう。


こちらは「姥沢小屋」
周辺の紅葉がまさに見頃で綺麗でした。


日光を浴びると、紅葉はいっそう輝きを増しますね。

大きな駐車場に待機していたバスに乗り、温泉に向います。
強風の中で満足に食べられなかったお弁当をつつきました。

途中、ダム湖の「月山湖」に寄りました。

丁度2時、湖面の噴水の噴射が見られるのです噴射の高さは112mで日本一だそうです

我々の足が速くて、予定より大分早く下ったので時間調整らしい・・・


霧状になった水が、まるでジョーゼットのカーテンのように広がりました。

ここ西川町は、百名山の月山、朝日連峰の懐深く抱かれ、
万年雪や豊かなブナの原生林に象徴されるように清らかな水資源に恵まれています。

この大噴水はそのシンボルモニュメントとして設置され、
“水”の大切さを問い掛ける願いが込められているそうです。

ようやく案内された温泉は、この町の道の駅「にしかわ」に付属されている「水沢温泉館」
入浴時間もタップリと1時間半も与えられ、入浴後の地ビール「月山」も味わいました

4時に「山形駅」に向かってバスは出発
途中「うぅ~」と唸って一瞬意識を失った男性がいて、
娘さんらしき女性が慌てて添乗員さんを呼びました

ツァー客の中には看護婦さんも居たようで席に駆けつけました。
幸い意識はすぐに戻り、大事には至らずにすみました。
山は順調に歩けましたが、無事家に着くまで何が起こるか分りませんね。

前日新幹線で配られた予約制の昼食福島産の食材が詰まったお弁当です。

「頑張ろう!東北!」と書かれていました。

「3月の震災後、4月5月と私の仕事はほとんどありませんでした」
「初夏に一度この月山を案内しましたが、どこもガラガラでした」
「今日、月山の姥沢の駐車場に車が沢山並んでいるのを見て嬉しく思いました」
添乗員さんの挨拶に、少しシンミリしてしまいます。

「大いに東北観光を楽しみ、これからも東北にお金を落としましょうね」

帰路の新幹線で食べた米沢牛のお弁当主人へのお土産は日本酒と漬物「晩菊」

6時過ぎの新幹線に乗り、お喋りしながらお弁当を食べていると、新幹線の窓に水滴が・・・
雨が降ってきたようです。
山で降られず本当に良かった

今回の「出羽三山巡り」は、Yさんが唯一都合がつく2日間ということで
「どこに行きたい」ではなく、その日に遂行されているツァーを調べて選んだ次第です。

でも、参加者の方々も皆良い方ばかりで、添乗員さんとガイドさんも素晴しかったです。
来年も元気で東北の山の紅葉が楽しめることを願って、この「出羽三山紀行」を終了いたします。

3回に渡っての長文にお付き合いいただき、ありがとうございました



コメント (34)
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