社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

在宅緩和ケア-その現状とビジョン 鈴木央(現代のエスプリ484 2007/11)

2008-05-04 23:00:46 | 医学
開業医による論文。

・緩和ケアの最終目標は、良好なQOLを実現させること。そのため、末期に限らず、もっと早い病期の患者に対しても適応すべき利点がある。
・かかわる疾患はがんのみとは限らない。治療に反応せず、終末期と考えられたケースはすべて、緩和ケアの適応がある。
 →山崎章郎氏の定義とは少し異なる。あくまでも「終末期」と認定?された患者が対象となるようだ。

・「在宅では少なくとも不幸ではない」…病気になったことは不幸であるが、家族の暖かいケアを受けている現状は「少なくとも不幸ではない」と考えている。
そのため、家族によるケアを受けにくい病院で最期を過ごすよりも、自宅で過ごすことのほうが、「スピリチュアルペイン」は少ない。と位置付けている。
 →家族の機能が十分に機能していない場合は、その限りではない…とは記してあるが、在宅での看取りを美化させ過ぎている印象も受けた。


一人暮らしでの看取りについて、終日誰かがそばにいることで、不安が取り除かれ、安心を得ることができる。そのため、介護体制を確保しやすいシステムを構築するべきだと指摘している。
筆者は全体的に、「スピリチュアル」についてのサポートを重視しているようだ。確かにそれは基本であり、大切なことだが、それと同じくらいに、着替えや排せつ介助、食事の準備や介助をする「手」も必要であろう。それらも含めての「介護体制を確保しやすいシステムの構築」が望まれる。
コメント
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