社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

がん終末期患者の退院をコーディネートする-救急病院におけるソーシャルワーカーの役割- 渡辺姿保子

2008-05-15 21:45:38 | 社会福祉学
『ターミナルケア Vol.11 No.4 JULY 2001』

ソーシャルワーカーによる論文。在宅ケア部門に所属し、院内から在宅への退院調整を中心に業務を行っている。

・医師から退院の話が出る前から介入し、治療と並行して退院調整を念頭に関わっていく。
・在宅への退院→どのようなサービスが受けられるのか、転院→受け入れ可能は医療機関はどのようなところか…など、具体的に現状を提示し、検討を促進する。

ソーシャルワーカーが退院に向けての話し合いを進める中で、患者や家族の力を以下の観点から評価している。
引用「①これまで問題が起きたときどのように対処してきた家族なのか、②特に老いや死についてどのような経験や理解を持つのか、③患者の家族内の位置づけはどうだったか、④家族の患者に対する思い:予後、回復に対する期待をどれほどもっているか、⑤家族内の関係:誰が誰と相談して決定する家族なのか、⑥介護者は介護の経験や関心を持つ人か、⑦介護にどのような形で携わることを望んでいるか、その計画は妥当なものか、⑧外部からの援助を活用する力、交渉力はどの程度か、など。
 →大学時代に、同様のことを聞いたことがある。引用文献ないし参考文献についの記載はないが、福山和女氏からの引用か?


引用について…「評価の目」が職種によって異なってくるであろうから、この視点を組み込むことで、より厚いケアや調整を施すことが可能になるだろう。それは、よりその人のニーズを具体化し、「納得のいく」ものに近付けられるものにつながると思う。それゆえに、多くの視点から援助していくことは、大切であろう。

退院調整について、訪問看護の導入や介護用ベットの導入など、いわゆる社会資源の調整や導入は、「2~3日で可能」と記してある。しかしこれは、自前の病院から自前のケアマネに調整を依頼したり、自前の訪問看護ステーションにつなげるから可能なんだろう、と感じた。
実際は、「がん末期」というだけで、「かかわったことがないので、先生(主治医のいる医療機関)のほうで、ある程度決めてください。それに従います。」と言うケアマネもいる。それは経験がないことや、医療的なニーズが多いために、一歩下がってしまうからではないか。そういう姿勢のケアマネさんのモチベーションをあげつつ、必要なサービスを「指示」ではなく「アドバイス」することは容易ではない。
サービス調整は、同一法人でパッケージ化しない場合は、1週間くらいはかかるような…。
そえゆえに、そこに時間と労力を費やせるソーシャルワーカーは、必要になるのではないだろうか。
コメント
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