徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

トリノ五輪での日本の不振

2006-02-16 21:28:53 | その他
 トリノ冬季五輪で日本が不振だ。これについてはTVや新聞でもいろんな分析が行なわれている。スポーツ評論家の玉木正之氏や二宮清純氏などは長野五輪後遺症というようなとらえ方をしていた。日本は8年前の長野五輪の際、あらゆる手段を講じてピークにもって行ったため、その反動の低迷が続いているというわけだ。たしかにそういう面もあるかもしれない。私は不振というよりは、もともとその程度の実力だったのだろうと思う。最近は五輪に限らず、世界的なスポーツイベントに対するテレビ局のテンションが凄い。どちらかというとバラエティ番組的な扱い方が多く、視聴率を上げるために実力とは関係なく無理やりにヒーロー、ヒロインを作ろうとする。いきおい視聴者は勘違いしてメダルを獲れるもんだと思ってしまう。そのギャップが不振と映ってしまうのではないか。

 また、玉木氏は1964年の東京夏季五輪の後、永い間日本が夏季五輪で不振だったことを引き合いに出して、「日本が東京五輪と同じメダル数を獲得するまで40年かかった。」とも言っていた。が、これにはいささか異論がある。たしかにアテネ五輪では日本は東京五輪とほぼ同じメダル数を獲得した。しかし、東京とアテネではその内容が違う。メダルを獲った種目も違えば男女の構成も違う。同じメダル数というのは数の上だけで、東京五輪の時強かった競技が、その後弱体化して40年後に復活したと実感できる種目は一つもない。強いて言うなら、男子体操が復活の兆しが見えたことぐらいだ。
 つまり、冬季五輪においてもスキーのジャンプやスピードスケートなど、日本がいつも強いことなどあり得ないし、復活するかどうかもわからない。しかし、次回のバンクーバー大会で突如復活することだって十分あり得る。スポーツは不確実性の世界そのものなのだ。だからこそスポーツは面白い。