藤沢周平の短編「花のあと」が、北川景子の主演で映画化されることが発表された。この「花のあと」は、昨年末、NHKでドラマ化された「花の誇り」(原作は「榎屋敷宵の春月」)と同じく、武家の妻女が主役の話。どんな脚色がされるのか、まだ不明だが、原作は老女が孫たちに語って聞かせる昔話の形をとっている。しかもこの女性、どちらかというと醜女。若手女優の中でも美形の北川景子ちゃんがどういう風に演じるのか興味深い。相手役の青年剣士役に抜擢されたのが、最近人気のバレエダンサー、宮尾俊太郎というのも興味深い。そういえば「たそがれ清兵衛」で抜擢された田中泯さんも舞踊家だったし、舞踊家にはその佇まいに、武家と共通する凛としたものを感じさせるのかもしれない。中西健二監督の作品は最近「青い鳥」を見たばかりだが、ともかく、「花の誇り」のようなメロドラマにはしてほしくないし、藤沢小説の空気感をぜひとも再現してほしい。