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佐々部清監督の作品は好きで多分全作品を観ていると思うが、「夕凪の街 桜の国(2007)」以降の、「結婚しようよ(2008)」と「三本木農業高校、馬術部(2008)」がやや精彩を欠いているような印象があった。それだけにこの「日輪の遺産」には期待していた。感動もありそれなりに楽しめる作品にはなっていると思う。浅田次郎の原作を読んでいないのでよくわからないのだが、多分、赤鬼(中村獅童→八名信夫)が戦後成り上っていく話がもう一つあるのだろうなぁという気がした。2時間余の映画にまとめるためそこら辺はサラッと説明があるだけなので、どうしても財宝を隠匿する作業に従事させられ、犠牲となった少女たちの“ひめゆり”的な話が中心になっているが、遺産と少女たちが眠る洞窟を守るためには手段を選ばなかった赤鬼こそが真の主役なのだろう。それにしても森迫永依ちゃんも随分成長したものだ。映画「天使(2006)」やテレビの「ちびまる子ちゃん」でホントに天使のように可愛かったのは昨日のような気がする。