どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

人食いとらのおんがえし

2018年07月09日 | 絵本(昔話・外国)


    人食いとらのおんがえし/松谷 みよ子・文 長野 ヒデ子・絵/佼成出版社/2007年

 命をすてても恩返しするはげしさだけなら、じんとくるものがありますが、とらのおんがえしが半端ないので、どうにもしっくりきません。

 のどにささった銀のかんざしをぬいてあげた木こりの若者に、とらがおんがえしをするのですが、半端ないおんがえし。

 木をひっこぬいてとどける、都の大臣のむすめをつれてくる、婚礼をあげている家に飛び込んで、酒の壺や、もち、にわとりをうばい、馬や牛を集めて、若者のところへ届けたり。

 若者はとらからのおくりものをもって、都の大臣のところへ行って、姫の婿ぎみになるのですが・・。

 ある年、都にとらがあらわれ、人や馬をけちらしたり、おおあばれ。

 とらは自分の死期をさとり、若者にうたれる覚悟をきめていました。

 とらと若者の関係だけならいいのですが、とらが若者以外にする行為はほめられたものではありません。