人食いとらのおんがえし/松谷 みよ子・文 長野 ヒデ子・絵/佼成出版社/2007年
命をすてても恩返しするはげしさだけなら、じんとくるものがありますが、とらのおんがえしが半端ないので、どうにもしっくりきません。
のどにささった銀のかんざしをぬいてあげた木こりの若者に、とらがおんがえしをするのですが、半端ないおんがえし。
木をひっこぬいてとどける、都の大臣のむすめをつれてくる、婚礼をあげている家に飛び込んで、酒の壺や、もち、にわとりをうばい、馬や牛を集めて、若者のところへ届けたり。
若者はとらからのおくりものをもって、都の大臣のところへ行って、姫の婿ぎみになるのですが・・。
ある年、都にとらがあらわれ、人や馬をけちらしたり、おおあばれ。
とらは自分の死期をさとり、若者にうたれる覚悟をきめていました。
とらと若者の関係だけならいいのですが、とらが若者以外にする行為はほめられたものではありません。