子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎・編/実業之日本社/1964年
歩くのもやっという女の人が、どうしてもやせたいと医者のところへ。
医者は一度は高いお金をとって女の人を帰します。二度目にはもっとらしく、七日の命と宣告します。
女の人は死ぬことばかり考え、なんにものどが通らず、夜も眠れません。
医者からは七日の命といわれましたが、八日、九日すぎても死にません。
女の人は、十五目に医者の所にいって、高い金ををとってだましたのねと文句をいいます。
ところが医者は落ち着いて、女の人に「いまふとっていますか、やせていますか」と聞き返します。
女の人は「死ぬのがおそろしくて、食べものも、のどがとおらなかったからやせましたとも!」と答えます。
医者は「おそろしいと思う気持ちが、やせぐすりだったのですよ」
思わず笑ってしまいました。この手の笑い話は、何度聞いても楽しいものと、一度聞いたらもういいと思うパターンの二つに分かれそうですが・・・。
タンガニーカの昔話というので、どこかと思ったらタンザニアの昔話。
タンザニアはタンガニーカとザンジバルが合併し成立した連邦国家ですが、タンガニーカはそのうちの大陸部をさすといいます。タンガニーカにはタンガニーカ湖やビクトリア湖があり、海岸部は平野、内陸部は高原、北東部及び南西部は高山地帯となっており、北東部にはキリマンジャロ山がそびえるとありました。