どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふしぎなマンゴー・・パプア・ニューギニア

2018年07月14日 | 昔話(オセアニア)

       アジア・太平洋の楽しいお話 ライオンとやぎ/ユネスコ・アジア文化センター・編 駒田和・訳/こぐま社/1994年

 「ホットケーキ」「パンはころころ」「しょうがパンぼうや」などなどとおなじように、逃げ出すのが楽しい話。
 お話に共通しているのは、ラスト食べられてしまうこと。

 終わり良ければ総て良しでは、ありませんが、この「ふしぎなマンゴー」のラストは余韻があります。

 他の話と同様、マンゴーが強い風に吹かれ、地面におちてころがりはじめます。

 途中あったのは、ぶた、小さな男の子、ふたりの女、はらぺこ狩人。

 ぼくはふしぎなマンゴーさ
 どっこい、あんたにゃ つかまらない
 木からはなれてころころと
 広い世界を 見物に! 

 と、歌いながらにげていきます。

 マンゴーはなんとか、草むらにげこみ、みんなからにげだすことに。

 マンゴーは何日も何日もねむり、じっとしています。それからまた何日もたつと、ふしぎなマンゴーから小さな緑の芽が。
 そうです。ふしぎなマンゴーは、大きなマンゴーの木になる準備をはじめたのでした。
 
 食べられそうになりながら、歌いながらにげだす繰り返しのリズムは、他の似たような話と同様ですが、ラストはなにか希望を感じさせてくれキラリ光るものがあります。食べられておわりになるのは、あららという感じ。

 ホットケーキやパンではこうはいきません。