おおきな ものの すきな おうさま/安野 光雅:作・絵/講談社/1976年
おおきなもののすきなおうさま。
屋根よりも高いベッド、プールのような洗面器、百年かかっても食べきれないようなチョコレート。
チョコレートを食べすぎて、虫歯になった王さまの歯を抜くのは、天井から吊り下げた10人がかりのくぎぬき。
このくぎぬきはとりかごにつくりかえられることに。
庭をほって池をつくり、くじらぐらいもある魚をつりあげようと。
半端ない大きさに唖然としていると、ラストは、大きな大きな植木鉢の上に可愛らしい小さい小さいチューリップが一つ咲いていました。
お城が出てきますが、城のブロックの一つ一つ,屋根の瓦、人物の一人ひとりも細かく描かれています。面白いと思ったのは、くぎ抜きをつくるところ。設計図があり、ふいごで鉄を熱しています。
王さまは、小さなチューリップをみて、どうおもわれたのでしょう。
命を人間がつくることはできない、花一つ、虫一つが、かけがえがないものであることをを思わねばならない、と作者のメッセージも明快です。