ガラガラヘビの味 アメリカ子ども詩集/アーサービナード 木坂涼:編・訳/岩波少年文庫/2010年
何年たっても話を、よくおぼえられない。覚えたと思っても人前で話すと、どこかとぶなどさんざん。
短いものだと覚えられそうだが、これもなかなか。そして、短いものだと子どもにどう届けられるか自信がない。
その点、大人向けでオチがあると短くても楽しめそうなものも。
アメリカ子ども詩集に、思わずニヤリとするものが。
(近所にひっこしてきた子)
近所にひっこしてきた子は
とってもタフで
そのパンチ力ったらないんだ。
からだはでっかいし めげないし
らんぼうで 筋肉だらけ。
ぼくは何度も 腕をひねられたし
髪の毛だって ひっぱられた。
近所にひっこししてきた あの子は
ケンカっぱやいし
ぼくの仲間もみんな
やっつけられちやったんだ。
ちょっとおびえちゃうよ
(だって ぼくの二倍ぐらい あるんだぜ)
足の指を 思いっきり踏んづけるし
ボールも 横どりされちゃった。
あの子は ほんもののワルなんだ。
○○○○○○
どんな子かとおもっていると、最後の一行で、じつによくできていると思わせます。
(走る人)
ローラースケートが得意な少年。彼がいつか
話してくれたーうんと速く滑走すれば
自分のさびしさも追いつかないーと。
チャンピオンを目指す理由として、これは
最高ではないか。
今宵、わたしはペダルをこいで、
キング・ウイリアム通りを走る。
自転車でも同じことができるか、考えている。
自分のさびしさをおいてけぼりにするなんて、
これぞ本当の勝利! さびしさのヤツは
どこかの街角で息切れし、立ちつくすだろう。
そのころ、こっちはツツジがいっぱいに咲く中を
軽やかに飛ばす。桃色の花たちは、しぼんでも
ぽろぽろ落ちても、さししさとは無縁だ。
寂しさ、悲しみの際、思い出したい詩。
詩だって語れるのを、教えてもらいました。