ペレのあたらしいふく/エルサ・ベスコフ:作・絵 小野寺百合子・訳/福音館書店/1976年
ペレは自分の子羊を一匹持っていて大切に世話していました。子羊もペレも大きくなって、ペレの上着も短くなるばかり。
ある日、ペレは新しい服をつくろうと、羊の毛をかりとります。
おばあちゃんに毛をすいてもらい、もうひとりのおばあさんに紡いでもらい、おつかいのついでに青い染粉の袋を買って、自分で糸を染めました。
その糸をお母さんが織り上げ、仕立屋さんで・・・。
服だけでなく、たとえば食べ物なども、どうしてできるか見えにくくなっていますが、一着の服ができあがるまでのたくさんの工程が、目に見える形で自然にえがかれています。
大人はペレのおねがいにこころよく応じてくれ、ペレも頼まれた畑仕事や、牛や豚の世話、妹の世話をします。
糸紬機や機織り機が家庭にあって、田園風景がひろがり、大人がこどもを優しく見守るゆったりした暮らしがひろがっている生活が魅力的です。