プレゼント/ボブ・ギル・作 アーサー・ビナード・訳/ほるぷ出版/2012年
ある日、ちょっぴりヒマだったアーサーが見つけたのは、お父さんのクローゼットのおくにおかれている赤いリボンのついた箱。
アーサーにはすぐに何の箱かわかります。
なぜって、あと二週間後がアーサーの誕生日で、お母さんのプレゼントは、いつも赤いリボンがついているのです。
それから、アーサーの想像がひろがります。
ケーキ?輪投げのおもちゃ?トラクター、チョコレート?新しいリュック?それとも日本からやってきた提灯?絵具のセット?パズル?それからそれから・・・。
二週間も想像しますから、でてくるのもさまざま。置き時計をイメージすると、時間をまもらなきゃ!
考えているうちに、いよいよ明日が誕生日。
そのとき、玄関のベルが「ピンポン」となって、やってきたのはボランティアの女の人。
アーサーのとった行動に、思わずあっとしました。
アーサーは女の人にプレゼントをわたしたのです。
ボランティアや寄付があたりまえのように根付いている文化の懐の深さのようなものを垣間見させてくれました。
最初に“たべたリンゴよりも、あたえたリンゴのほうが、あとあじがいい。”(ふるくからのいいつたえ)とあって、頭をへねりましたが、こういうことなんだと納得しました。
主人公がアーサー少年。訳もアーサー・ビナードさん。原著でもアーサーとなっているのでしょうか。それともビナードさんの遊び心?。