どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

いちばにいくファルガさん

2019年07月21日 | 絵本(外国)

   いちばにいくファルガさん/文・チトラ・サウンダー 絵・カニカ・ナイル 長谷川善史・訳/光村教育図書/2015年

 

 長谷川さんの訳は、はじめて。文字の大きさもいろいろ、擬音語はカラーだったりとデザインもカラフル。そして絵も落ち着いた色合いです。

 今日は市が立つ日。ファルガさんは荷車にトマト・タマネギ・トウガラシ・コリアンダー・しろいいたまごに あかいたまご・アヒルのたまごものせて出発です。

 荷車を引く牛の足並みはかろやかに「トロット トロット トロット」

 ところが「デコボコ」道に穴が・・。しろいたまごが われてしまいます。

 「トロット トロット トロット」。アヒルの親子が横切って「わーっ!」。牛が止まると荷車がぐらつき、かごがたおれ、ふくろが滑り落ち、コリアンダーとトウガラシはタマネギのしたじき。あかいたまごにもひびがはいってしまいます。

 市場までは、まだ遠い。でもトマトもタマネギも、アヒルのたまごも あるからと気を取り直し「さあ、ゆっくりいこう」。

 ところがブーブー、大きなトラックが横をおいこし、牛は道をそれ、アヒルのたまごがタマネギの上におちてわれてしまいます。

 とうとう 全部のたまごに ひびがはいり、コリアンダーもトウガラシも すっかりおしつぶされ「もうだめだ かえろうか」。

 「いやいや、いけば なんとかなるさ」

 やっと市場に着くと、キサンの店をみつけ、ファルガさんなにやら、はじめます・・。

 「禍を転じて福と為す」「転んでもただは起きぬ」存在感抜群のファルガさん、なかなかです。

 コンクリートの道ではイメージがわきませんが、ちょっと砂埃のする道を牛と市場にむかうインドの地方の風景も感じます。