どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

くまさんのおたすけえんぴつ

2019年07月15日 | 絵本(外国)

   くまさんのおたすけえんぴつ/作・アンソニー・ブラウン 訳・さくまゆみこ/BL出版/2012年

 

散歩に出かけたくまさんが、ハンターたちに狙われますが、くまさんはいたって冷静沈着。

なにしろ描いたものが本物になる不思議な鉛筆をもっていますから。

縄で捕まえられそうになるとサイをかき、鉄砲でねらわれると鉄砲の先をまげ、檻にとじこめられるとノコギリで切り、穴に落ちたら鳥をかいて飛び出します。

くまさん、危機なのですが表情一つかえず乗り越えるギャップが対照的です。

よくみると、花の葉が靴や口だったり、森の中なのに魚が泳ぎ、傘が咲いていたり?と背景も楽しめます。


雨ニモマケズ

2019年07月15日 | 宮沢賢治

 

 

        雨ニモマケズ/作:宮澤 賢治 画:小林 敏也/パロル舎/1991年初版



 「雨ニモマケズ」は誰もが知っている詩。この絵本というのでひかれました。

 存在感ある版画で、一行ごとに絵があり、絵の中にも詩が描かれています。

 「雨ニモマケズ」では、雨とツバメ
 「風ニモマケズ」では、木の葉が舞う木が
 「ホメラレモセズ クニモサレズ」では、夜の電信柱と月を見上げる男が 

 そして写真でおなじみの宮沢賢治がさりげなく描かれています。

 カナ文字なので、小さい子が読むには、はじめは少し抵抗があるかもしれません。

 なにか、この詩があらためて身近なものに感じられる絵本です。 

      雨ニモマケズ/文・宮澤 賢治  英訳・アーサー・ビナード 絵:山村浩二/今人舎/2003年初版

 

 アーサー・ビナードさんの英訳です。

 ひと昔前の里山の風景が印象的な山村さんの絵。生活や季節感があって、詩ではでてこない”いきもの”の存在感がありました。

 一枚一枚の絵だけでも心に残ります。