どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

7日だけのローリー

2019年07月02日 | 絵本(日本)


    7日だけのローリー/片山健/学研/2007年


 ある朝、家の外にみたことのない犬が。
 家の周りをまわってみますが、だれも知った人がいません。

 おとうさんが一週間たっても飼い主が見つからなかったら、保健所につれていくという約束で犬をかうことに。

 面倒見のいい一家です。小さな空き家の軒下に居場所を確保し、インターネットやポスターで知らせたり、おまけに看板までつくり、散歩にも連れていきます。

 名前は、お母さんの一言で”ローリ”とつけました。おかあさんがすきな歌手です。

 嵐がやってきたり、公園で遊んだり。六日目にはこのまま飼い主がみつからなかったら、家でかうことにしますが、七日目の昼、ローリーの声がきこえてきて・・・。

 結局飼い主があらわれますが、別れの場面が秀逸。

 別れの時、ローリーが きゅうに ぼくたちのほうへかけてきて、おとうさん、おかあさん、ぼくにだきついたあと、もう一度もふりかえらずに まっすぐ帰っていきます。

 飼い主がみつかったのを喜びながらも、ちょっと寂しさがただようラストです。

 意味深なタイトルもロマンチックで、思わず手に取りたくなります。