7日だけのローリー/片山健/学研/2007年
ある朝、家の外にみたことのない犬が。
家の周りをまわってみますが、だれも知った人がいません。
おとうさんが一週間たっても飼い主が見つからなかったら、保健所につれていくという約束で犬をかうことに。
面倒見のいい一家です。小さな空き家の軒下に居場所を確保し、インターネットやポスターで知らせたり、おまけに看板までつくり、散歩にも連れていきます。
名前は、お母さんの一言で”ローリ”とつけました。おかあさんがすきな歌手です。
嵐がやってきたり、公園で遊んだり。六日目にはこのまま飼い主がみつからなかったら、家でかうことにしますが、七日目の昼、ローリーの声がきこえてきて・・・。
結局飼い主があらわれますが、別れの場面が秀逸。
別れの時、ローリーが きゅうに ぼくたちのほうへかけてきて、おとうさん、おかあさん、ぼくにだきついたあと、もう一度もふりかえらずに まっすぐ帰っていきます。
飼い主がみつかったのを喜びながらも、ちょっと寂しさがただようラストです。
意味深なタイトルもロマンチックで、思わず手に取りたくなります。