ぼくのともだちは、あたまに はながさいている/ジャーヴィス・作 まきもり れい・訳/岩崎書店/2023年
楕円形のテーブルで、お絵かきしているなかには、皮膚の色が異なる子、車いすの子がいます。頭にきれいな花が咲いているのはデイヴィッド。
みんなデイビッドのことが大好き。みずたまりにはいって ばしゃばしゃしたり、なんでも歌にして歌ったり いつもいっしょに遊びます。
ところがある日から、デイビッドは、あそぼうといっても遊ばなくなり、おしゃべりもしなくなりました。幼稚園には、ぼうしをかぶってきて、先生が、コートをぬいで、ぼうしやマフラーをとりましょうといわれ、デイビットがぼうしをぬぐと、はなびらが ひらひらおちました。頭は、ぽきっとおれそうな こえだみたい。
みんなは、とんがった えだで、けがをするかもしれないからと、デイヴィットに ちかづこうとしませんでした。
それで、ぼくは・・・。
紙に花をえがき、それをきりぬいて、デイヴィットの頭に、色をもどしてあげました。ずっとずっと 新しい花をつくっていると、みんなも てつだいたいっていいだし・・
そしてある日、デイヴィットの頭に、花をもどしていると、本当の花が あたらしく咲いて、つぎからつぎへと花が ひらきはじめ うるさい はちたちも もどってきました。
ともだちを思う”ぼく”の優しさがあふれ、ほっとします。