どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ぼくのともだちは、あたまに はながさいている

2023年03月15日 | 絵本(外国)

    ぼくのともだちは、あたまに はながさいている/ジャーヴィス・作 まきもり れい・訳/岩崎書店/2023年

 

 楕円形のテーブルで、お絵かきしているなかには、皮膚の色が異なる子、車いすの子がいます。頭にきれいな花が咲いているのはデイヴィッド。

 みんなデイビッドのことが大好き。みずたまりにはいって ばしゃばしゃしたり、なんでも歌にして歌ったり いつもいっしょに遊びます。

 ところがある日から、デイビッドは、あそぼうといっても遊ばなくなり、おしゃべりもしなくなりました。幼稚園には、ぼうしをかぶってきて、先生が、コートをぬいで、ぼうしやマフラーをとりましょうといわれ、デイビットがぼうしをぬぐと、はなびらが ひらひらおちました。頭は、ぽきっとおれそうな こえだみたい。

 みんなは、とんがった えだで、けがをするかもしれないからと、デイヴィットに ちかづこうとしませんでした。

 それで、ぼくは・・・。


 紙に花をえがき、それをきりぬいて、デイヴィットの頭に、色をもどしてあげました。ずっとずっと 新しい花をつくっていると、みんなも てつだいたいっていいだし・・

 そしてある日、デイヴィットの頭に、花をもどしていると、本当の花が あたらしく咲いて、つぎからつぎへと花が ひらきはじめ うるさい はちたちも もどってきました。

 

 ともだちを思う”ぼく”の優しさがあふれ、ほっとします。