おとうさん/脚本・与田準一 画・田畑精一/童心社/1998年(12画面)
ひとりぼっちのマンガラン・グリーン・ベクーという魔物が、川で遊んでいるぼうやをみて、お父さんになってみたいなと、ぼやのお父さんに変身し、本当のお父さんが、目を離したすきに、ぼうやを さらってしまいます。
やがて、川からあがってきた本物のお父さんと魔物のお父さんがはちあわせ。顔も、声も同じ。
二人の父さんは、島の王さまに、裁判できめてもらうことになりました。
すると、王さまは、大太鼓をもちだし、太鼓の中に、ぼうやを入れて、山登りをするよう命じます。
すぐにけわしい山道をのぼりはじめた二人のおとうさん。
さあ、王さまの裁定は?
インドネシア スマトラの民話。二人のお父さんが、坊やの手をひきあう絵があるので、よくあるパターンかと思うと、太鼓がでてきて、王さまがどういう裁定をくだすか先が読めません。
はじめ 魔物の名前をよぶ呼びかけがあり、さらに 魔物がお父さんに変身する呪文の言葉 「イタリナ イタリナ ニンサ ウトオ イタリナ イタリナ ニンサ ウトオ」 も一緒に繰り返すと楽しそうです。
太鼓を担いで登った後の魔物のセリフ。「おとうさんに なるのって、くたびれるわ。」と、妙にリアル。