スサノオとオオナムチ/飯野和好/バイ インターナショナル/2022年
兄弟に殺されかけたオオナムチは、死者の国を治めるスサノオの元を訪ね、スサノオの娘のスセリヒメにひと目で心ひかれ、夫婦になる約束をしました。
オオナムチのくることを知っていたスサノオは、オオナムチをヘビの室屋やムカデとハチの室屋に寝かせ、さらには焼き殺そうとします。
スセリヒメの協力もあって、無事危機を切り抜けたオオナムチは、スセリヒメを背負い、イクタチ・イクミヤという生命の宿る太刀と弓矢を手に取り、地上にむかいます。
逃げていく二人に向かって、スサノオは、オオクニヌシと名前を改め、出雲に国を作れとと、叫びました。
子どもはいずれ親の元から旅立ちます。スサノオが恋路を邪魔するように見えますが、試練を乗り越えられないなら、娘と一緒にさせないと思っていたのでしょう。
飯野さんの迫力ある絵が、神話の世界に ぴったり。
はじめに、「兄神たちに命をねらわれたオオナムチは・・」とはじまり、おわりは「国造りを始める」とあって、前後の神話の世界に浸ってみたいと思わせます。