どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

スサノオとオオナムチ

2023年03月24日 | 絵本(昔話・日本)

    スサノオとオオナムチ/飯野和好/バイ インターナショナル/2022年

 

 兄弟に殺されかけたオオナムチは、死者の国を治めるスサノオの元を訪ね、スサノオの娘のスセリヒメにひと目で心ひかれ、夫婦になる約束をしました。

 オオナムチのくることを知っていたスサノオは、オオナムチをヘビの室屋やムカデとハチの室屋に寝かせ、さらには焼き殺そうとします。

 スセリヒメの協力もあって、無事危機を切り抜けたオオナムチは、スセリヒメを背負い、イクタチ・イクミヤという生命の宿る太刀と弓矢を手に取り、地上にむかいます。

 逃げていく二人に向かって、スサノオは、オオクニヌシと名前を改め、出雲に国を作れとと、叫びました。

 

 子どもはいずれ親の元から旅立ちます。スサノオが恋路を邪魔するように見えますが、試練を乗り越えられないなら、娘と一緒にさせないと思っていたのでしょう。

 飯野さんの迫力ある絵が、神話の世界に ぴったり。

 はじめに、「兄神たちに命をねらわれたオオナムチは・・」とはじまり、おわりは「国造りを始める」とあって、前後の神話の世界に浸ってみたいと思わせます。