どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ちいさなふたりの いえさがし

2023年03月28日 | 絵本(日本)

   ちいさなふたりの いえさがし/たかお ゆうこ/福音館書店/2023年(初出2020年)

 

 クルミの家が おおきなヒョウで こわれてしまった ちいさなおじいさんと おばあさんが、あたらしい 家を探しにでかけました。

 綿毛につかまってとびあがり、ついたところがイチゴ畑。甘い香りのイチゴの中身を取り出し、ドアや窓を作り、中身はジャムに。毎日おいしいイチゴを食べて暮らしていましたが、夏になると イチゴの家は、べとべとしはじめ、ぐにゃりと ひしゃげて しまいました。

 「この家は やわだのう」と、また新しい家を 探すに でかけ ついたところは スイカ畑。スイカの家は三階建て。毎日 おいしいスイカを食べていましたが、夏真っ盛りになると、スイカの家は 割れてしまいます。

 次は木の上の眺めのよいリンゴの家。リンゴの家が 船になってしまうと またまた 新しい家探し。

 ついたところは、もとの場所。クルミがたくさん 落ちていて 二人は、そこへまた家をつくりました。

 

 絵のタッチは おもわず外国の方と思うほど。家探しに おともしているテントウムシが気になりました。”こびと”といわず、”ちいさなふたり”という表現に惹かれました。

 住む家が、イチゴ、スイカ、リンゴ、クルミと、みんなおいしそう。こんな家があったら 何はおいても 住みたい。季節がめぐって、クルミの家で冬を越します。