ちいさなふたりの いえさがし/たかお ゆうこ/福音館書店/2023年(初出2020年)
クルミの家が おおきなヒョウで こわれてしまった ちいさなおじいさんと おばあさんが、あたらしい 家を探しにでかけました。
綿毛につかまってとびあがり、ついたところがイチゴ畑。甘い香りのイチゴの中身を取り出し、ドアや窓を作り、中身はジャムに。毎日おいしいイチゴを食べて暮らしていましたが、夏になると イチゴの家は、べとべとしはじめ、ぐにゃりと ひしゃげて しまいました。
「この家は やわだのう」と、また新しい家を 探すに でかけ ついたところは スイカ畑。スイカの家は三階建て。毎日 おいしいスイカを食べていましたが、夏真っ盛りになると、スイカの家は 割れてしまいます。
次は木の上の眺めのよいリンゴの家。リンゴの家が 船になってしまうと またまた 新しい家探し。
ついたところは、もとの場所。クルミがたくさん 落ちていて 二人は、そこへまた家をつくりました。
絵のタッチは おもわず外国の方と思うほど。家探しに おともしているテントウムシが気になりました。”こびと”といわず、”ちいさなふたり”という表現に惹かれました。
住む家が、イチゴ、スイカ、リンゴ、クルミと、みんなおいしそう。こんな家があったら 何はおいても 住みたい。季節がめぐって、クルミの家で冬を越します。