魔法のゆびわ/世界むかし話13 インド/光吉夏弥・訳 畠中光亨・絵/ほるぷ出版/1979年
ジュング王子と、とてつもない力をもつ男たちの旅。
14歳の誕生日に2mもある鉄の壁を拳骨でこわし旅に出たジュング王子。途中に出会ったのは力持ち、星を射るほどの男、大食いの男、水をいくでも飲み干す男、人を食べるという30㎝のこびと。
旅の途中泊まった宿屋。宿屋のむすこは結婚式をひかえていましたが、雲つくほどの大男に食べられるためのくじにあたって、さしだされるところでした。
この話を聞いた、ジュング王子はこの大男を倒してしまいます。
宿屋の息子も花嫁も大喜び。ニュースを聞いた王さまが、国の半分とお姫さまをあげようといいます。
他の国にも、同じような話があって、王さまがお姫さまと結婚させないための難題をだすというのが、パターンですが、途方もない力をもった男の出番は、この先です。
王さまの申し出を断って、旅をつづけたジュング王子が、であったのは大金持ちのむすめ。
ジュング王子は、むすめが美人なのをしって、むすめがだす難題に取り組むことになります。
ここで男たちの出番。
一つ目は、むすめが14年間料理しつづけたものを、一度に食べてしまうこと。
大食いの男のいうには「ぺろりとですか、それとも、むしゃむしゃとですかい?」
ぺろりは食べ物だけ、むしゃむしゃというのはお皿やお椀も一緒に食べること。むしゃむしゃときれににたいらべます。
水を飲み干す男がいうには「すうっとですか?ごくりごくりとですか?」
すうっというのは、水だけ、ごくりごくりというのは、水の中の魚やカメをも一緒に飲んでしまうこと。ごくりごくりと飲み込みます。
熱い湯に入るのに「どぶんとですか?じゅうっとですか?」
どぶんは湯につかるだけ、じゅうっとというのは、たきぎの火にまであったまること。
このあたりのやりとりがなんとも楽しい昔話です。
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