どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

米福と糠福・・秋田

2024年12月13日 | 昔話(北海道・東北)

     秋田のむかし話/秋田県国語教育研究会編/日本標準/1974年

 

 姉の名前は米福、妹の糠福。妹はあとからきたお母さんの娘。
 あとからきたおかさんは、糠福ばかりかわいがり、米福をいじめてばかり。

 ある日、栗拾いに行くが、母親がわたしてくれた袋は、米福のほうは袋の底が抜けていて、いくらひろってもいっぱいにならない。糠福は袋がいっぱいになると、さっさと帰ってしまった。

 日が暮れかかって、米福が、しくしく泣いていると、なくなったおかさんがでてきて、家に帰ったら板の間に、ころばしてやれと、大きな栗をひとつぶ渡して、姿をけしてしまった。

 家に帰ると、あとのおかさんが、栗を拾ってきたかと大声をあげたので、米福は、だまって、おかさんからもらった栗を床板の上にころばしてやった。すると、栗は見る見るうちにふえて、台所一ぱいになった。

 そのあとも、米福はあとのおかさんから、いじめれていたが、ある日、だしぬけに、長者の家から、米福をよめにくれてけれと いってきた。

 おかさんは、「米福は、みにくいし、ぶしょうものだから、なんとか器量がよくて、働き者の糠福を、もらってくれ」と、長者に頼みにいくが、長者は、すなおな米福のほうを、もらいたいといったので、米福がよめに いってしまった。家に残った糠福は、「くやしい、くやしい」と、泣き騒いだとも、どうにもならない。「ああら、うらやましでゃ、うらつぶ。」といって、そばの池にはまって、とうとう、うらつぶ(たにし)になってしまった。

 

 長者は、米福を、気立ての良い、かわいいむすめっこだと、思っていたんだと。ちゃんと見ている人がいたんですね・・。


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