どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ネズミじょうど・・岩手、ねずみのもちつき・・秋田

2024年12月05日 | 昔話(北海道・東北)

・ネズミじょうど(岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年)

 ほかの地域の「ネズミ浄土」の倍ぐらいはあるでしょうか。さまざまな擬音語もでてきて、地域の特色もでています。

 じさまが、山へ薪取りにでかけていくときもっていったのは、キャンバモチ(カシワの葉に小麦粉をねってつつみ、いろりの灰の中でやいてつくったもち)。

 すぐにネズミの国にいくのがほとんどですが、ネズミがつぎつぎに穴の中からやってきて、おじいさんはそのたびに、キャンバモチをちぎってあげます。それを何回か繰り返してから、土の中へ。

 ネズミとおじいさんの歌。「ねごごぁニャンたら、どやすべな。カッカラトン、カッカラトン。ねごごぁニャンたら、どやすべな。カッカラトン、カッカラトン。」

 ネズミがくれたつきたてのもちが、家に帰ると、ジャグジャグず金の小判にかわっていました。

 この話を聞いたとなりのじさまが、ガキモキと、薪をとっていると思った通りネコが顔を出しました。思い通りネズミの穴へ入ったとなりのじさま。ネコのなきごえをすると、ネズミはかくれてしまい、でぐちがわからなくなったとなりのじさまは、モグラモチみたいに。

 「モグラモチぁ、まっくらな土の中さばかりいるべ。そいづらは、そのときのじさまのまごの、そのまたまごたちだず。」と、余韻がのこる結末です。

 

・ねずみのもちつき(秋田のむかし話/秋田県国語教育研究会編/日本標準/1974年)

 ねずみの穴へ落ちるのは、土間にあったひとつぶの豆。「そのぐらいなら、ねずみにわけてやればいい」というおばあさんの一言でした。

 となりの爺さまが、モグラになる結末が多いのですが、からだじゅう、血だらけでかえってきて、どうやらモグラになることは避けられます。


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