鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

カイツブリ2020 備忘録⑦

2020年10月23日 | カイツブリ類

弁天池は、かいぼり後もなかなかカイツブリの繁殖が成功しなかったエリアだった。

抽水植物も生えていないし、水面に垂れ下がる適当な樹の枝もない。何度か営巣しても巣が流れたり壊れたりで、孵った雛も全滅してしまったことさえあった。しかし、2018年、ミズキの樹の枝がいい具合に水面にかかるようになり、そこでかいぼり以来初めて繁殖が成功した。2019年も同じ場所で繁殖したのだが、なんとそのミズキが伐採されてしまったので、今年はどうなるのだろうと心配していたのだ。

▲1月の伐採された樹

案の定、弁天池をテリトリーとするぺア(Gペア)は、営巣する場所を探してあちこちを彷徨っているかに見えたが、やがて、ツツジの茂みの中に巣を作る。私には見えなかったが、卵もいくつか産んだようだ。しかし、何があったのか、その巣は雛の誕生を待たずして放棄された。

▲池に張り出すツツジの陰の巣で抱卵中 5月3日

 

やがて、今度は、池の中央にイトモを積み上げて巣を作る。ここでも、卵は5つ。

▲イトモで作った浮巣で抱卵中(5月25日 )水面の赤い色は、弁財天の建物の影である。

巣は下の水草に支えられているものと思われる。

▲3羽の雛が誕生 最初の餌はイトトンボ(ムスジイトトンボ)6月11日

雛は予定日に次々と誕生。4羽の雛が生まれたときのことだ。

何か違和感がある。それは何だろうかと思って見ていると、なんと巣の位置が移動しているのだ。

その日の夕方には、残りの卵を一つ乗せた巣は、どんどん岸辺の方へ移動してしまい、ペアは4羽の雛を抱えたまま、その巣を放棄せざるをえなかった。

▲4羽目の雛が孵り、残すは卵1つ。6月12日。なんとなく落ち着きがない。

▲巣は流れていく。

▲親の背中で夜を明かすのか。

翌日心配して見に行くと、巣は沈んでしまっていたが、4羽の雛は親の背中に乗っていて無事。親は新しい巣をせっせと作り始めていた。

▲新しい巣で休む雛たち 6月18日

その後は、4羽はすくすくと育ち、Gペアは2番子の営巣に入った。

今度は別の樹の枝に作る。雛が3羽誕生。

▲2番子の巣で抱卵中 7月16日 

▲3羽の雛が孵る。卵はまだ残っている。8月1日

しかし、ある日見に行くと、巣が無くなっていた。

水位が下がって、巣材を掛けてあった枝が浮いてしまったようだ。

▲遠くに3羽の雛が無事なのを確認 8月2日 

▲水草で新しい巣を急遽作る親たち 8月4日 

この後雛が1羽いなくなる。やはり生まれてすぐの雛には過酷な試練だったのだろう。

 

水位が戻ると、ペアは再度同じ枝に営巣を試みるが、今度はアオダイショウに襲われて、卵もろとも巣を放棄せざるをえなかった。

▲アオダイショウに襲われて、放棄した巣。卵が残ったまま 8月24日

▲残った雛2羽は、すくすくと育った。 9月11日

こうして、Gペアは、巣が流れたり、浮いてしまったり、アオダイショウに襲われたりしながらも、4羽+3羽(-2羽)の7羽の雛を孵した。

まとめとその後につづく