Mars&Jupiter

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オットリーノ・レスピーギのローマの噴水をフレッチャ盤とオーマンディ盤で聴き比べる

2011-08-01 05:56:08 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日はウォーキングを休みました。
今回とりあげるのは、1879年生まれのレスピーギの作品。
イタリア・スペイン編を終わるにあたって、
レスピーギのローマ三部作をとりあげて聴き比べをしていく。
今回はその2回目として、ローマの噴水をとりあげる。
ローマの噴水は、1916年に作曲された有名な代表作である。
今回聴いたCDは、マッシモ・フレッチャ指揮、
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏。
聴き比べとしてユージン・オーマンディ指揮、
フィラデルフィア管弦楽団による演奏も聴いてみた。
第一部「夜明けのジュリアの谷の噴水」は、
弦楽器の奏する音型の上に木管楽器が牧歌的な旋律を吹き、
夜明けの幻想的な情景が印象派風の音楽で描写される。
中間部ではオーボエとチェロの奏でる牧歌風な旋律が現れる。
フルートにより冒頭の旋律が再び奏されて、
最後はクラリネットが残って、次の曲に続く。

第二部「朝のトリトーネの噴水」は、ホルンの力強い吹奏に始まり、
弦楽器が飛び散る水のしびきなどを表現し、いきいきとした感じである。
ハープなどがきらめく光を表現し、そのまま次の第二部に続く。
第三部「昼のトレヴィの噴水」は、力強い主題が奏されて、
金管楽器が繰り返しながら徐々に盛り上がりをみせていく。
人魚とトリトンの行列を描写するクライマックスが築かれたあとは、
それが遠ざかる様子が描かれ、そのまま第四部に入る。
第四部「黄昏のメディチ荘の噴水」は、チェレスタの音の上で、
弦楽器が夕暮れのひとときを描写していく。
独奏ヴァイオリンがせつない感じの旋律を奏で、
フルートなど木管楽器は鳥の囀りを描写する。
やがて鐘の音が響き、フルートが名残り惜しい感じの旋律を奏で、
最後は弦楽器の伸ばす音と、鐘の音が残って終わる。

フレッチャ盤は第二部の色彩豊かな音楽をうまく表現しているし、
流れるように自然な感じで一気に全曲を聴かせてくれる。
オーマンディ盤は、フレッチャ盤に比べ弦楽器が落ち着いた感じに聴こえるが、
録音の違いなのかもしれないし、どちらも優劣つけがたくはある。
オーマンディ盤には1957年に録音されたものと、
1973~1974年にかけて録音されたものがあり、録音はもちろん前者がいい。
しかし、弦楽器の音がいきいきとした感じがあるのは後者である。
また第二部や第三部での金管楽器の活躍するところを聴くと、
フレッチャ盤にように勢いがあり、こちらの方がいいと思う。
録音によっても違いがあるので不思議なものである。
コメント
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