昨日も飲み会があったため、ウォーキングを休みました。
今回とりあげるのは、1879年生まれのレスピーギの作品。
ローマの祭りは、1928年に作曲されたローマの三部作最後の作品である。
この曲をもって、イタリア・スペイン編は終わりにしたい。
今回聴いたCDは、リコ・サッカーニ指揮、
ブタペスト・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
聴き比べとしてエンリケ・バティス指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による演奏も聴いてみた。
第一部「チェルチェンス」は、アヴェ・ネローネ祭という、
古代ローマの帝政期の皇帝ネロがコロッセウム(コロッセオ)で、
民衆を喜ばせるためにおこなった底抜けに騒ぐ祭のことである。
冒頭から管弦楽の強奏で始まり、トランペットはファンファーレ風に吹き、
ローマ時代の皇帝とそれに熱狂する民衆を思わせる旋律が続き、
続いて弦楽器により聖歌風の旋律が奏される。
この二つの主題が絡み合いながら、曲は進行していく。
聖歌風の音楽はキリスト教の殉教者を表すもので、
このコロッセウムでキリスト教徒への虐殺があったことを示すものだが、
この史実については、確証があるものではなく、俗説のようである。
第二部「五十年祭」は、弦楽器による巡礼者の歩みを思わせる音型で始まる。
そしてクラリネットとファゴットで祈るような旋律が奏される。
この旋律は古い賛美歌「キリストは生まれ給えり」から採っているということだ。
金管楽器が加わり盛り上がったあといったんおさまり、
フルートなどにより即興風に聖歌の主題が奏される。
やがて再び金管楽器が加わり、クライマックスを築く。
最後の方で教会の鐘を思わせる鐘の音が何度か鳴り響き、
弦楽器のみで消えそうになるところでホルンが軽快に旋律を奏で
第三部「十月祭」にそのまま入り、ホルンの狩を思わせる音楽が入る。
そのあとは管弦楽全体で明るく軽快な旋律が奏でられ、
ヴァイオリンが叙情的で情熱的な旋律を奏でていく。
クラリネットがそれを受け継ぎ、静まる中、遠くからホルンが響く。
弦楽器のピチカートに続き、マンドリンによるセレナード風の旋律が奏され、
弦楽器がこれに絡み、ホルンの狩を思わせる吹奏も絡んで曲は進行する。
豊かな実りをもたらす10月の時期に行われるこの十月祭は、
ロマンティックでありながら、哀愁もただよう部分がある。
最後は鈴の音が響いて、静かに弦楽器が奏し、次の第四部に続く。
第四部「主顕祭」は、トランペットや打楽器など活躍し、荒々しく始まる。
ホルンが力強く旋律を奏で、次に狂乱した舞踏的な旋律がクラリネットにより奏され、
他にワルツ風の旋律などいくつか現れ、民謡風の旋律が歌い上げるように奏される。
再び冒頭の旋律が現れ、徐々に盛り上がりをみせ、
最後は管弦楽全体で熱狂的に盛り上がって終わる。
サッカーニ盤は、第一部で管弦楽の乱れがあって十分満足できるものとはいえない。
また、第二部のテンポが速くあっさりした感じに聴こえる。
特に第四部の終わりにかけてテンポをあげていくところは、
いかにもライブ録音らしく、熱狂的な感じで終わっている。
バティス盤は、サッカーニ盤とは違ってオーケストラが素晴らしく、
第一部の最後に向けての盛り上がっていくところなどいい。
また、第二部はサッカーニ盤とは対照的にテンポがゆっくりしている。
巡礼者の歩みが弦楽器によって示されているが、ここの表現がなかなかいい。
最後の盛り上がりの部分もなかなかいい演奏でそれぞれの楽器の動きがよくわかる。
第三部もゆっくりとしたテンポで、ホルンの響きなどがいい。
第四部もテンポをあげて最後盛り上げていく部分が素晴らしい。
録音の良さやオーケストラを考え両者を比較すると、
やはりバティス盤の方が私としては好きな演奏である。
なお、今回までとりあげたイタリア・スペイン・ポルトガル編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html
参考にしていただければ幸いです。
今回とりあげるのは、1879年生まれのレスピーギの作品。
ローマの祭りは、1928年に作曲されたローマの三部作最後の作品である。
この曲をもって、イタリア・スペイン編は終わりにしたい。
今回聴いたCDは、リコ・サッカーニ指揮、
ブタペスト・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
聴き比べとしてエンリケ・バティス指揮、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による演奏も聴いてみた。
第一部「チェルチェンス」は、アヴェ・ネローネ祭という、
古代ローマの帝政期の皇帝ネロがコロッセウム(コロッセオ)で、
民衆を喜ばせるためにおこなった底抜けに騒ぐ祭のことである。
冒頭から管弦楽の強奏で始まり、トランペットはファンファーレ風に吹き、
ローマ時代の皇帝とそれに熱狂する民衆を思わせる旋律が続き、
続いて弦楽器により聖歌風の旋律が奏される。
この二つの主題が絡み合いながら、曲は進行していく。
聖歌風の音楽はキリスト教の殉教者を表すもので、
このコロッセウムでキリスト教徒への虐殺があったことを示すものだが、
この史実については、確証があるものではなく、俗説のようである。
第二部「五十年祭」は、弦楽器による巡礼者の歩みを思わせる音型で始まる。
そしてクラリネットとファゴットで祈るような旋律が奏される。
この旋律は古い賛美歌「キリストは生まれ給えり」から採っているということだ。
金管楽器が加わり盛り上がったあといったんおさまり、
フルートなどにより即興風に聖歌の主題が奏される。
やがて再び金管楽器が加わり、クライマックスを築く。
最後の方で教会の鐘を思わせる鐘の音が何度か鳴り響き、
弦楽器のみで消えそうになるところでホルンが軽快に旋律を奏で
第三部「十月祭」にそのまま入り、ホルンの狩を思わせる音楽が入る。
そのあとは管弦楽全体で明るく軽快な旋律が奏でられ、
ヴァイオリンが叙情的で情熱的な旋律を奏でていく。
クラリネットがそれを受け継ぎ、静まる中、遠くからホルンが響く。
弦楽器のピチカートに続き、マンドリンによるセレナード風の旋律が奏され、
弦楽器がこれに絡み、ホルンの狩を思わせる吹奏も絡んで曲は進行する。
豊かな実りをもたらす10月の時期に行われるこの十月祭は、
ロマンティックでありながら、哀愁もただよう部分がある。
最後は鈴の音が響いて、静かに弦楽器が奏し、次の第四部に続く。
第四部「主顕祭」は、トランペットや打楽器など活躍し、荒々しく始まる。
ホルンが力強く旋律を奏で、次に狂乱した舞踏的な旋律がクラリネットにより奏され、
他にワルツ風の旋律などいくつか現れ、民謡風の旋律が歌い上げるように奏される。
再び冒頭の旋律が現れ、徐々に盛り上がりをみせ、
最後は管弦楽全体で熱狂的に盛り上がって終わる。
サッカーニ盤は、第一部で管弦楽の乱れがあって十分満足できるものとはいえない。
また、第二部のテンポが速くあっさりした感じに聴こえる。
特に第四部の終わりにかけてテンポをあげていくところは、
いかにもライブ録音らしく、熱狂的な感じで終わっている。
バティス盤は、サッカーニ盤とは違ってオーケストラが素晴らしく、
第一部の最後に向けての盛り上がっていくところなどいい。
また、第二部はサッカーニ盤とは対照的にテンポがゆっくりしている。
巡礼者の歩みが弦楽器によって示されているが、ここの表現がなかなかいい。
最後の盛り上がりの部分もなかなかいい演奏でそれぞれの楽器の動きがよくわかる。
第三部もゆっくりとしたテンポで、ホルンの響きなどがいい。
第四部もテンポをあげて最後盛り上げていく部分が素晴らしい。
録音の良さやオーケストラを考え両者を比較すると、
やはりバティス盤の方が私としては好きな演奏である。
なお、今回までとりあげたイタリア・スペイン・ポルトガル編のCD等の情報は、
以下のアドレスの各分野のところで赤字NEWで示してあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html
参考にしていただければ幸いです。