Mars&Jupiter

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フリードリヒ・ゲルンスハイムの交響曲第3番ハ短調作品54「ミリアム」を聴き、星川から横浜まで歩く

2011-10-09 08:22:54 | 古典~現代音楽ドイツ編
昨日は、星川駅から横浜まで歩きました。
再びそごうの8階のイベント会場に行って、
生ハムとパルメジャーノとワイン1本を買う。
イル・ボッロのセカンド・ワインである
ピアン・ディ・ノーヴァを前回試飲したが、
この赤ワインがうまいので買おうかと思ったのだが、
いろいろ買ってしまったので今回はやめることにした。

途中聴いたのは、1839年生まれのゲルンスハイムの交響曲。
ゲルンスハイムの交響曲については以前触れたことはあるが、
今回はCDの解説書をもとに詳しく触れていくことにする。
ヴォルムスのユダヤの家庭で生まれた彼の父は医者で、
熱心なフルート奏者でもあり、母はアウクスブルクの商人の家庭に生まれ、
ピアニストであったので、音楽を愛好する一家の中で生まれたと言えるだろう。
シュポアの生徒であったルイ・リーベに最初に音楽レッスンを受け、
その後マインツではエルンスト・パウアー(Ernst Pauer)にピアノを師事し、
ライプチヒ音楽院に入学してからは、イグナツ・モシェレスにピアノを師事し、
モーリッツ・ハウプトマンに音楽理論を学んだようである。
1861年にはザールブリュッケンの音楽監督の地位を得て指揮者として活躍し、
1865年にはケルン音楽院で教師として教えるようになり、
1874年から1890年にはロッテルダムの音楽監督に就任し、
ブラームスの作品を紹介し、自作の交響曲の3つを書き上げた。
1890年からはベルリンに移り、シュテルン音楽院で作曲など教えた。

交響曲第3番ハ短調作品54「ミリアム」は1887年にロッテルダムで作曲された。
「ミリアム」とは旧約聖書に出てくるモーセとアロンの姉で、女性の預言者。
出エジプトでモーセが人々と共に紅海を渡った時に、
タンバリンを手に主をほめたたえる歌を歌ったようである。
ゲルンスハイムがライプチッヒ音楽院で学んでいた14歳の時、
ヘンデルのオラトリオ「エジプトのイスラエル人」を聴いて、
その壮麗な音楽に魅力を感じ、「主に向いて歌え」とミリアムが歌う部分に、
深い印象を受けたようで、このことがこの交響曲作曲に関係しているらしい。
とはいえ、聴いてみるとあまりこの出エジプトの話と音楽との関連性は、
強く感じられないので、このことを知らなくとも大丈夫だと思う。
聴いたCDはジークフリート・ケーラー指揮、
ラインラント・プファルツ国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏のもの。
第一楽章アレグロ・マ・トロッポは、
「隷属的な状態にあって」という副題が付いている。
木管楽器中心に始まる哀愁漂う主題は、エジプトの支配下にあって、
その支配を受け、隷属的な状況にあるイスラエル人を示しているのだろう。
やがて弦楽器と金管楽器によって盛り上がり、再び木管楽器の部分となり、
さらに弦楽器と金管楽器により激しく情熱的な音楽となっていく。
一方で次に弦楽器が奏でる悲しい旋律は対照的である。
展開部は主題をもとに変形し、木管楽器は牧歌的な雰囲気を感じさせてくれる。
ブラームスの交響曲第2番や第3番を思わせるような感じで、
金管楽器中心に劇的に盛り上がり、静かになってからの音楽は、
弦楽器中心に明るくロマンティックな感じの音楽である。
金管楽器が鳴り響きながら、再び激しくなり、最後は力強い3つの音で終わる。

第二楽章モルト・アダージョの副題は「ミリアムの歌」である。
オーボエなど木管楽器中心に牧歌的な感じで始まる。
そして弦楽器も加わり、歌うような旋律が奏されていく。
ホルンとハープ、そしてフルートが絡んだりしながら弦楽器が旋律を奏で、
木管楽器群がそれを引き継ぎながら、おだやかな感じである。
いったん盛り上がりをみせ、そのあとは再びおだやかな感じに戻り、
ロマンティックな弦楽器の旋律は、やはりブラームス的である。
弦楽器にハープと木管楽器が絡みながら、最後おだやかに終わる。
第三楽章モルト・ヴィヴァーチェの副題は「逃走」である。
ティンパニが叩く中、木管楽器と弦楽器によりスケルツォ的で、
幻想的な感じの音楽が繰り返され、やがて金管楽器が加わり荒々しくなる。
そのせわしない感じの音楽は出エジプトの部分を示しているのだろうか。
中間部は木管楽器が活躍し、のどかな感じの音楽である。
再び冒頭の部分が繰り返され、金管楽器やハープが加わり、最後は静かに終わる。
第四楽章アレグロ・コン・ブリオの副題は「解放-勝利と喜びの歌」である。
弦楽器が明るく堂々とした感じの旋律を奏し、木管楽器や金管楽器が絡んでいく。
その旋律は喜びに溢れており、苦痛から解放への状態を表している感じである。
木管楽器による牧歌的で平和な感じと、劇的で激しい感じの部分が交互に現れ、
ハープが時々絡んでいき、やがて金管楽器が明るい旋律を繰り返し、
弦楽器も一緒となって苦痛から解放への音楽を繰り返し、
最後は金管楽器とティンパニが鳴り響く中、堂々とした感じで華やかに終わる。
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