Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

片目で過ごす不便さ、そしてカール・ライネッケのフルート協奏曲ニ長調作品283を聴く

2009-04-25 05:33:05 | 古典~現代音楽ドイツ編
昨日はウォーキングを休みました。
左目の周りの怪我は、完全に治癒するには、
かなりの日数が必要だと明らかにわかる状態である。
体の他の部分も打撲をしていたことが痛みで分かる。
それにしても片目で一日過ごすのは疲れるものだ。
昨日聴いたのは1824年生まれのライネッケの作品。
ライネッケはアルトナに生まれ、7歳の頃から作曲を始め、
メンデルスゾーンやシューマンに師事した。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長もつとめたようだ。
フルート協奏曲ニ長調作品283は1885年頃に作曲された。
今回聴いたCDの演奏はゴールウェイのフルート、
岩城宏之指揮のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による。

第一楽章アレグロ・モルト・モデラートは、
田園的で民謡的なブラームス風の音楽にのって、
フルートが華やかにロマンティックな旋律を奏でる。
彼の門下生にはグリーグがいるが、
その彼への影響はどこまであるかは分からないが、
叙情的な旋律はグリーグにも共通している感じがする。
のびのびと最後も明るい感じで終わる。

第二楽章レント・エ・メストは、冒頭において、
低弦に執拗に現れる暗い感じのリズムが印象的である。
その中を独奏フルートが悲しげな旋律を奏していく。
劇的な雰囲気を持ち、中間部にそれが特に現れている。
ゆったりと歌うフルートの旋律は魅力的である。
第三楽章モデラートは、ソナタ・ロンド形式で書かれ、
独奏フルートの華やかで軽快な旋律がとてもいい。
木管楽器同士の絡み合いも面白いところである。
ポロネーズ風の音楽が華やかさを作り出しているようで、
フルートの楽器の良さを十分に出しているようでいい。
最後に一気に駆け抜けていくようなところを
ゴールウェイは軽やかに演奏している。
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ジャン・デトワイラーのアルペンホルン協奏曲を聴きながら、片倉町から上星川駅まで歩く

2009-04-24 06:14:51 | 古典~現代音楽スイス編
おとといの歓送迎会から帰る途中で怪我をしたようで、
朝起きると左目のまぶたが腫れ、メガネは壊れていた。
朝から眼科によって、検査をしてもらい、
しばらく眼帯をすることにした。
打撲をしたようで、今日の朝になると、
その痛みの場所が増えている。
我ながら情けないものである。

昨日は片倉町から上星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1907年生まれのデトワイラーの作品。
デトワイラーはスイスに生まれ、パリ音楽院で学んだ。
ダンディに師事し、1933年に帰国している。
シオン音楽院で長い間教育活動に従事した。
CDの英文の解説ではそんなことが書かれている。
アルペンホルン協奏曲が作曲された時期はわからない。
今回聴いたCDの演奏はヨジェフ・モルナルのアルペンホルン、
シュナイダー指揮、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団による。

第一楽章はアルペンホルンのソロから始まる。
幻想的で神秘的なところがダンディからの影響を思わせる。
アルペンホルンはいかにも演奏が難しそうな楽器である。
ゆったりと始まった音楽は、やがて盛り上がっていき、
色彩豊かな音楽となり、冒頭のソロの部分が繰り返され、
弦楽器の霧を思わせるような音楽の中静かに終わる。
第二楽章はスケルツォで、短い楽章である。
管弦楽による舞踏的な音楽が奏され、
アルペンホルンが加わり、両者が絡み合っていく。
明るく軽快な音楽である。

第三楽章はパストラーレとなっているが、
冒頭の管弦楽が奏する旋律は幻想的である。
アルペンホルンが加わり、印象主義的な音楽となる。
アルペンホルンのソロがしばらく続き、
やや悲しげな音楽がオーボエなどによって奏され、
アルペンホルンのソロと賑やかな管弦楽が奏されたあと、
弦楽器と共にアルペンホルンが吹いて静かに終わる。
第四楽章は「死の舞踏」となっており、
ティンパニにより荒々しく始まる音楽は、
リズムカルではなるが、何だか少し奇妙。
ダンディのフランスの山人の歌による交響曲を
感じさせる旋律のところもある。
金管楽器のファンファーレ風の音楽のあと、
アルペンホルンの独奏が続き、
最後は激しく盛り上がってあっさり終わる。
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ヨハン・メルヒオール・モルターのフルート協奏曲ト長調MS315を聴きながら、上星川駅から片倉町まで

2009-04-23 07:33:56 | 古典~現代音楽ドイツ編
昨日は上星川駅から片倉町まで歩きました。
途中聴いたのは1696年生まれのモルターの作品。
ティーフォンオルトに生まれ、アイゼナハのギムナジウムで学び、
1717年にバーデン=ドゥルラハのカール・ヴィルヘルム辺境伯の楽団に所属し、
イタリアに留学後、ザクセン=アイゼナハの宮廷楽長を務め、
ドゥルラハに戻り、亡くなるまで宮廷作曲家として活動した。
170曲近くのシンフォニアなど多くの器楽曲を残したらしい。
フルート協奏曲ト長調MS315の詳しい作曲年代はわからない。
今回聴いたCDはジャン=ピエール・ランパルのフルート、
パイヤールの指揮、パイヤール室内管弦楽団による。

第一楽章アレグロは、ヴィヴァルディ風の軽快な序奏に続き、
フルート独奏が入り、華やかな旋律を奏でていく。
駆け抜けるようなランパルのフルートは心地いい。
第二楽章アフェットゥオーソは、弦楽器中心に始まる。
悲しみに満ちた音楽に独奏フルートが加わり、
ゆったりと歌うように旋律を奏でていく。
情緒深い曲で、最後が弦楽器によって静かに終わる。
第三楽章アレグロは、弦楽器中心の軽快な音楽に、
独奏フルートが加わり、あざやかな演奏技術を披露する。
このようなところはランパルが得意とするところだろう。
短い楽章で、最後は軽快にそして優雅に終わる。
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忙しい一日そして、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲を聴きながら

2009-04-22 04:46:29 | 古典~現代音楽オーストリア編
昨日は夕方雨が降り続いたのでウォーキングを休みました。
ここのところ毎日が忙しく、今日も遅くまで仕事が続いた。
時間をうまく使うことが大事だろうが、難しいものだ。
昨日聴いたのは1885年生まれのベルクの作品。
ベルクはウィーンの裕福な家庭に生まれ、
幼い時期から文学や音楽に興味を持ち、
15歳から作曲を独学で試みるようになった。
シェーンベルクに師事し、ウェーベルンとともに、
新ウィーン楽派の中心的人物として活躍し、
無調・十二音技法と伝統的な調性のある音楽を折衷させ、
彼独特の作風を作品の中に確立させていった人物である。

ヴァイオリン協奏曲は1935年に作曲された。
「ある天使の思い出に」という献辞が付けられている。
これはアルマ・マーラーがヴァルター・グロピウスとの間に
もうけたマノン・グロピウスが19歳で亡くなったこと聞き、
このマノンを可愛がっていたベルクが、
その死を悼んで作曲し、一気に完成させた作品である。
十二音技法で書かれ、二つの楽章からなっている。
今回聴いたCDの演奏はアンネ・ゾフィー・ムターのヴァイオリン、
ジェームズ・レヴァイン指揮、シカゴ交響楽団によるものである。

第一楽章アンダンテ-アレグレットは、ソナタ形式で書かれ、
夢の中にいるような音楽で始まり、独奏ヴァイオリンが入り、
揺れ動くように旋律を奏していくが、後半は舞踏風の音楽となる。
ヴァイオリンは管弦楽とともにやがて激しくなり、盛り上げる。
そのあとは一旦静まるが、やがて舞踏風の音楽が再び現れ、
最後は管弦楽中心に盛り上がったあと、静かに終わる。
この楽章はマノンという人物を音楽的に描写したようだ。

第二楽章アレグロ-アダージョは、
管弦楽の荒々しい音楽から始まり、独奏ヴァイオリンが入り、
独奏ヴァイオリンが高度な演奏技術を要するような
速いパッセージを奏でていき、見せ場をつくっていく。
ヴォツェックを思わせるような荒涼とした音楽が続き、
激しく緊張感のある音楽となり、盛り上がりをみせる。
そのあとはゆったりとしたテンポとなり、
教会風のコラール的な穏やかな音楽となり、
これらはマノンの病気との闘いと、
死による浄化の世界を表現しているようだ。
だからこそ後半以降は天上の音楽のようでもある。
最後はマノンの冥福を祈るかのように、静かに終わる。
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アルベルト・ロルツィングのホルンとオーケストラのためのコンツェルトシュトゥックを聴きながら

2009-04-21 05:29:30 | 古典~現代音楽ドイツ編
昨日は片倉町から上星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1801年生まれのロルツィングの作品。
アルベルト・ロルツィングは喜歌劇の作曲家として知られている。
晩年は1848年の革命の時に市民側に参加し、
ウィーンでは受け入れられず、貧困の中で亡くなっている。
歌劇「密猟者」はコッツェブーの台本をもとにしているようだ。
コッツェブーという作家は世界史でウィーン体制下の
ドイツのブルシェンシャフト運動のところで出てくる人物だ。
ホルンとオーケストラのためのコンツェルトシュトゥックは、
1820年に作曲された序奏付きの変奏曲である。
今回聴いたCDはペーター・ダムのホルン、
クルツ指揮のシュターツカペレ・ドレスデンによる。

序奏は堂々としていてのびのびしている。
独奏ホルンが加わり、朗々とした音楽を奏でる。
ドイツ・ロマン派らしく、華やかな音楽である。
主題をもとにした変奏曲がホルンによって奏される。
音楽は親しみやすく、わかりやすい。
ペーター・ダムによるホルンの演奏は心地よい。
その音楽の後半の盛り上げ方も喜歌劇風で、
最後はホルンの吹奏とともに堂々として終わる。
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