水曜日に「印西爽居」の写真撮影がありました。空は綺麗な秋晴れで絶好の撮影日和!撮影は写真家の垂見孔士さんです。数々の住宅作品の写真を撮ってきた垂見さんに撮ってもらえるのは、設計者冥利につきます(笑)。撮影の合間、いろいろな話をしてくださいました。それが僕にとってはとても嬉しくて。
今日はゆっくりしていってください、という施主の言葉に甘え(甘えすぎ?)夜までしっかりと印西爽居の空間を楽しませていただきました。そしてなんとバーベキューを企画していただき、ビールも入りつつすっかり夢見心地の時間を過ごすことができました。
この住宅はアウトドア・リビングについて積極的に考えて設計をしました。リビングと一体となったデッキコーナー。そこには大きな庇がかかり、モミジの木陰がデッキに落ちる空間。そこからさらにバーベキューコートへと空間がつながっていきます。コンクリートでコンロ台や水場を設え、テーブルセットとうまい関係になるように、プランニングを工夫しました。それぞれの場所の雰囲気に特色を与えつつも、それらがゆったりとつながっていく雰囲気は、戸建て住宅の醍醐味とも言えます。
夜、黒い壁は闇に溶けこみ、照明の光に誘われて白い天井のカタチが溢れだす。そこにはモミジの樹影が映り込み、それが風にゆらゆらと揺れています。その雰囲気は、ガラスのランマを通して室内からも外からも感じとることができます。ライトアップされたモミジの緑も、黒い格子戸を通して室内からも美しく垣間見えます。きっと晩秋には、この緑が美しい赤になるんだろうなあ。
あるべきものをひとつひとつ吟味してデザインし、配置した結果、それは時として「得も言われぬ」美しい雰囲気を創り出します。う~ん、コルビュジエが言っていた「得も言われぬ空間」とはこのことか。それをすべて意図してできたらすごいなあ。それは巨匠か。・・・100年早いわ、とまた天国のボスから怒られそうですが、この住宅は見てもらいたかったですよ、村田さん。