自由学園明日館 講堂でのクラシックコンサートに行きました。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの三重奏。
シューベルト、コダーイ、モーツァルト、そしてアンコールはバッハ。
フルオーケストラも素適だけれど、ぼくは室内楽がとても好きです。
楽器の音色が無垢のまま体に沁み込んでくるというのでしょうか。
そしてそれが自由学園明日館で演奏されるところにも、建築家としては大きな楽しみでした。
この日の会場であった明日館の講堂は、フランク・ロイド・ライトの弟子の建築家・遠藤 新 が戦前に設計を手掛けた建築です。こじんまりとしていて、素朴さと優雅さが絶妙に響き合う空間です。
音響措置の整った無窓の音楽ホールで聴くよりも、この古びた厳かな空間で聴くほうが、断然にいい、と思ってしまいます。
この日の曲目は、著名な作曲家たちの曲でありながら、あまり知られていない、演奏される機会は少ないものが主だったそうです。
でもそうした曲のもつ魅力を演奏家は熟知していて、それを聴者に届けること自体が、喜びなのだと。
この美しく古びた空間で、数々の演奏が行われてきたことでしょう。そして、音響としてはベストな空間ではないことでしょう。演奏家としてそれをわかりつつ、この空間に集う人々に、楽しんで音色を届ける。
そんなあり方に感動しました。
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