部屋にはあまりカレンダーをかけないほうなのですが、毎年きまったように手元に置いているカレンダーがあります。それは、画家・有元利夫のカレンダー。毎年、新潮社から販売される小さなもの。実用に使うというよりは、ただ、手元に置いておくだけ。
有元利夫は、僕のいちばん好きな画家。38歳の若さで他界した有元の画風は、古典的モチーフをくりかえしくりかえし描くものでした。簡素でいて典雅。作品集だけでなく、製作の苦悩を記した日記と素描集も出版されています。分野は異なるけれど、僕は心から有元を尊敬しているし、越えたいと思う。今年もこのちいさな「画集」を傍らに、ひとつひとついい仕事を手がけていきたいと思います。今年もどうぞよろしく。