京都さんぽ 3 ~終バス、深泥池ゆき・・・~

2007-02-27 17:44:54 | 京都さんぽ

070227

京都市の北の方、碁盤の目が終わるところに、底なし沼があります。その名は深泥池。「みぞろがいけ」と呼びます。曲がりくねった道の向こう側に、華奢でたよりない柵越しに、その池は静かに広がっています。なんでも太古の時代からの植生が続いているとのこと。しかし、そのような学術的な価値とは無関係に、付近の小学生の間では、深泥池にまつわる「怖い話」の方がよっぽど興味の対象だったのです。

そのなかの話のひとつ。

夜、市バスの最終便は、行先表示板を真っ赤なライトで染めて走ります。書かれた表示は「深泥池ゆき」。そのバスに乗った人が、二度と帰ってこなかった、という話が多くあるというのです。

現在、実際には「深泥池ゆき」という便はないそうです。ですが、僕の記憶のなかのどこかに、たしかに見たように思うのです。赤く「目」を腫らした終バスが、池にむかって、ぬうっと現れるシーンを。観光で行かれた方は、ご自身の目でぜひ確かめてみてください。

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