職住一体の生活をしている私は、1階の事務所から2階の住居へ行き来するとき、いったん外に出て、庭を通ってまた別玄関から入り直す、ということが習慣になっています。ずっと室内で根を詰めて仕事をしていてもよくないでしょうから、外の空気をすって、庭を通るほんの少しの時間が、ちょっとしたリフレッシュにもなります。
庭の日頃の手入れは、近所の女性の植木屋さんが合間をみつけては手際よくやっていってくれます。こちらからいつ来てください、ということもほとんどないし、向こうから、いつ行きますよ、というのもなく。
留守にしていて挨拶もできないときもあれば、在宅していたのに気付かないことだってあるぐらい(笑)
それでも、あ、来てくれたんだ、とすぐにわかるのは、少しさっぱり、ぱりっとした雰囲気に庭がなっていることと、ちょっとしたサインがあるからです。
イングリッシュガーデン風の、少し野趣のある庭のそのなかに、鉄製のバードバスがあります。そこに水がはられ、庭で採れたなにかの草花が活けてあります。今日は昼食時に庭を通ったとき、この写真の光景に出会いました。何が活けてあるかも、一期一会。だからとても新鮮な印象です。
植木屋さん。
造園家。
庭師。
ガーデナー。
どれも同じ職業を指すようでありながら、なにかニュアンスが違う。それだけ、仕事の内容に幅があるということでしょう。
建築。
建物。
家。
これもそれぞれニュアンスが違う。私がふだん仕事として手がけているのは、やはり家というのがしっくりくるような気がします。講師を務めている学校で、「建築というのは・・・」という出だしで話をするのは、なにか自分の心に反して構えすぎているような気になるときがあります。
家と庭。
そんなシンプルで柔らかい言葉で表現される空気感を大切にしたいなあと思います。